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オンライン授業が広がらないもう一つの理由

思いつくままに書くので、雑な文章になると思います。

オンライン授業、メディア授業、遠隔授業……と、ネットを利用した、離れたところからの授業の名称がなかなか定まりません。テレビでは『リモート』という言い方が定着してきましたが、『リモート』の意味をあらためて調べてみると「隔たった」というように距離があることの意味でした。

リモートと言えば、私らの世代では、鉄人28号での正太郎君が鉄人28号をコントロールするために持っていた機械を『リモコン』と言っていました。時々敵に奪われて鉄人28号が操作されてしまうこともあった大事なリモコンです。

最近では、テレビを操作するのも「リモコン」。完全に日本語化していますが、遠くからコントロールするという意味だったことをあらためて確認しました。そのリモコンの「リモート」が今盛んに使われているのです。

リモートでの授業の名称が定まらないのは、ネットを利用したリモートの授業が進んでいないからです。小中高で、約2割、大学でも約6割。正確な数字はこれから調べてみますが、特に公立小中学校ではほとんど進んでいないと言えます。

日本の学校ではネットを利用したリモートの授業が広がらないのはその環境整備を怠ったからですが、導入できなかった現場の "授業事情" もあるのではないか?と思っています。つまり、日本が研究を深めてきた「授業」にリモートでの授業がなじめなかったこともあるのではないでしょうか。このことはもう少し考えてみたいことです。

リモートの授業が求められるようになっているこの時期に、あらためて今までの授業のあり方(優れていた面も含む)を考える時なのかもしれません。

日本の授業の特徴は、40人という大人数でありながら "話し合い型" だということです。その話し合いのテーマを共有するために『発問』が重視されてきました。この話し合い型授業について、日本では長く深く研究されてきました。ゆえに「これをリモートでやりましょう」と言われても戸惑うのは理解できます。

リモートの授業は、子ども一人ひとりが豊富な情報を獲得しながら、各自で学んでいくことにすぐれています。ウェブ会議型の授業も、視線・声のタイムラグ等の問題で、リアル授業の話し合いの質にまで高めることはできません。あくまでも、一人勉強において便利なツールだと思うのです。そこが、日本の授業になじまなかった点の一つだと考えているのです。

このままでは、日本のリモートの授業は、ドリル型になります。AIが出した問題に繰り返し答えていくだけの授業になる可能性があります。そして教師は、それを監視するだけの仕事になってしまう……。オンラインでの授業は、今まで開拓してこなかった授業の分野で利用するといった、授業開発的に利用するべきだと思うのです。

zoom、zoomって騒ぎすぎ

最近、どこもかしこも、zoom、zoomって……。

自分はzoomを利用したのは比較的早くて、授業に使う時の問題点をブログに書いてきましたが、その後、ここまで多くの人がzoom、zoomって言いだすとは予想できなかったです。

▼on-line授業における微妙なタイムラグと指導について
https://shiozaki.blog.fc2.com/blog-entry-4765.html

▼成立しているように見えて成立していない
https://shiozaki.blog.fc2.com/blog-entry-4771.html

▼双方向型オンライン授業の課題~「集団の教育力」が発生しづらい~
https://shiozaki.blog.fc2.com/blog-entry-4773.html



zoomを始めとするオンラインミーティングツールは、コミュニケーションが成立しているようで、実は成立していないと考えます。

その決定的な課題は、対話関係の不十分さです。亡くなった志村けんさんもおっしゃっていた『間』による関係性が未完成で終わるからです。

かといって、現状の中、オンラインミーティングツールは欠かせません。

大切なことは、万能だと勘違いせずに、足りないところを補いながら付き合うことだと思います。




"オンライン授業について" 書き続けた記事一覧(5/8現在)

▼自宅で会議するスキル
https://shiozaki.blog.fc2.com/blog-entry-4748.html

▼顔が見えればいいのか?という問題
https://shiozaki.blog.fc2.com/blog-entry-4749.html

▼カメラに向かって話すこと
https://shiozaki.blog.fc2.com/blog-entry-4752.html

▼メディア授業の問題点
https://shiozaki.blog.fc2.com/blog-entry-4753.html

▼マイクに向かって一人でしゃべる
https://shiozaki.blog.fc2.com/blog-entry-4756.html

▼学習的交わりの軽視&放棄
https://shiozaki.blog.fc2.com/blog-entry-4758.html

▼on-line授業における微妙なタイムラグと指導について
https://shiozaki.blog.fc2.com/blog-entry-4765.html

▼on-line授業をすれば学力が保障できるという錯覚
https://shiozaki.blog.fc2.com/blog-entry-4766.html

▼相変わらずの "やってます" ポーズを乗り越える
https://shiozaki.blog.fc2.com/blog-entry-4769.html

▼休校時代の権利ある学びと生活
https://shiozaki.blog.fc2.com/blog-entry-4770.html

▼成立しているように見えて成立していない
https://shiozaki.blog.fc2.com/blog-entry-4771.html

▼まだリアル授業には及ばない
https://shiozaki.blog.fc2.com/blog-entry-4772.html

▼双方向型オンライン授業の課題~「集団の教育力」が発生しづらい~
https://shiozaki.blog.fc2.com/blog-entry-4773.html

▼明日から、いよいよ第一回目の「遠隔授業」
https://shiozaki.blog.fc2.com/blog-entry-4774.html

▼タイムラグに慣れてきた "やりとり"
https://shiozaki.blog.fc2.com/blog-entry-4777.html

▼zoom会議(授業)はホストの役割が重要
https://shiozaki.blog.fc2.com/blog-entry-4779.html

▼「ステイホーム学習」で浮かび上がってきたもの
https://shiozaki.blog.fc2.com/blog-entry-4780.html

▼初めての遠隔授業
https://shiozaki.blog.fc2.com/blog-entry-4783.html

▼ステイホーム学習(動画編)
https://youtu.be/OcIquHfX9l8

▼リアル感が持てるのか……
https://shiozaki.blog.fc2.com/blog-entry-4790.html




明日から、いよいよ第一回目の「遠隔授業」

明日から都留文科大学の私の授業がスタートします。

ただし、オンラインを利用した遠隔授業です。

生活指導論と、教育実践論の二つの授業ですが、2教科とも、

1.テキスト資料を読んでもらう。
2.その内容について質疑応答をする。
3.最後に簡単なコメント提出。

というスタイルにしました。

今一番の不安は、

大学のシステムの中に、ちゃんと資料を置くことができているのか……、

学生さんたちは私が置いた資料がちゃんと読めるのか……、

質疑応答をする掲示板機能は動くのか、

課題提出の設定はあれでよかったのか……、

つまり、私が大学のシステムをちゃんと利用できているのか、ということです。


もう一つの不安が、

多くの大学の先生は同じようなパターンで行うと思うのですが、最後の課題・コメント提出が履修している全教科で毎日毎日繰り返されると、学生はまいってしまうのではないか?という心配です。

ということで、私の場合の最後のコメントは、「一文以上」として、簡単なコメントしか要求せず、初夏の最後に長めの小論文を書いてもらい、評価したいと考えています。

くわしくは、履修した学生さんに、オンライン上で連絡します。

さあ、今年度がようやく始まるぞ!!

----------
都留文科大学
生活指導論・進路生徒指導論
教育実践学論・教育実践学概論
を履修されている皆さんへ

[資料管理]に置いてある資料を一読ください。
[掲示板]で質疑応答ができます。(授業時間内にお願いします)
そして[課題管理]のコメント用紙に今回の授業(資料)についてコメントし、提出してください。
簡単な感想で結構です。内容について評価はしません。提出したことを「評価」します。




成立しているように見えて成立していない

大学でも、小中高の学校でも、遠隔で授業を進めたり動画を配信したりする試みが進められています。(「なんでもいいから動画をつくれ」と "内容軽視・作っておけば良い" といった授業動画作成を、教育委員会から強要されている地域もあります)

私も、大学の授業では、テキスト資料提起⇒質疑応答といった遠隔授業をしたり、動画配信の授業にチャレンジしたりしています。また、研究会では、月に2~3回のオンライン会議(テレビ会議)が開かれています。この2カ月、一気にオンライン活動をすることが求められ、いろいろ考えさせられることが多いです。

その中で考えていることは、オンラインを利用した「教育」は、授業として……、指導として成立しているのか?という問題です。そういった意味で、「学びとは何か」「指導とは何か」という問題をここにきて、あらためて突き付けられているような気がします。

とりあえず言えることは "オンライン授業ができていれば学力保障ができている" と考えるのは間違いだということです。オンライン指導は “成立しているように見えて成立していない”という危険性を持つので注意が必要なのです。

( ̄‐ ̄)。oO(オンライン授業を進める必要がないと主張しているのではありません。注意深く、研究的に取り組む必要があると考えています。)

動画は "視聴者を見ることができない" といった決定的な問題があることを忘れてはなりません。視聴者がやる気がなくても、居眠りをしていても、席を立っても、平気で話し続けなければなりません。

( ̄‐ ̄)。oO(動画作成の時に、声のトーンを変えたり、表情を作ったりしていて、むなしくなることもあります。)

Web会議でも、顔が見えているからリアルな話し合いができている…、と安易に考えてはなりません。顔が見えないメール会議の方が、場合によってはリアルな話し合いができる場合もあります。そして、Web会議の宿命的な “微妙なタイムラグ” は、話題を深め、相互の信頼関係をつくることを邪魔します。

さらには、画面を通しては空気(トーン、雰囲気)が読み取れません。そんな中で、一人ひとりを配慮するアンテナが働かないことが多いのです。

亡くなられた、志村けんさんは、舞台では本番同様の “力が入った稽古”はしないそうです。稽古ではすべてのチェックはするが所詮は稽古。本番の舞台とは、観客との「間」があって初めて完成するものだからだそうです。

授業や指導もそういった面があります。教師だけの一方的な情報伝達、子ども同士の交わらない意見発表、それでは授業は完成しません。教師と子ども、子ども同士の「間」があって、初めて完成するものではないでしょうか。

生活指導では事実をベースにしたリアルさが求められます。相互の信頼関係をベースにして、子どもに寄り添い、心をひらき合い、そこに "働きかけるものが働きかけられるといった関係" も生まれ、そしてその指導が、周囲(集団)へのメッセージにもなっていることがあります。

「オンライン指導」の反対語は「対面指導」ではなく、「リアル指導」だと思っています。一気に広がっている教育のオンライン化について、その指導を成立させるために、批判的に検討し、研究を深めていく必要がある時代です。




臨時休校時代の学校は?

緊急事態宣言が全国に広がりました。とりあえず5月6日まで。それ以降はどうなるのでしょうか。学校の臨時休校は解除されるのでしょうか。休校している地域では当初の予定通り5月6日までとしています。しかし今後、延長も大いにありえます。

臨時休校が延長になった場合、授業はどうなるのでしょうか。オンラインで進めればよいと簡単に言いますが、全国の小中学校にはオンライン授業をする環境は整っていません。現状では無理でしょう。

登校日を設けてプリントを配布。それを家庭で各自進める、という方法をとる地域が多いような気がします。しかし新しい学習内容を家庭で理解することは難しい。新規学習内容も自学で理解できるプリントが広がるかもしれません。そしてそれが本当に理解できるものなのかどうかの検討は必要です。

子ども同士でも簡単に利用できるオンライン会議室ツールが広がるでしょう。今は、大人の会議室ツールとして利用されていますが、子ども用にアレンジされたものが出てくるかもしれません。また、部屋や広い場所で、一人運動ができる動画も広がるでしょう。

人と接触しないで交わる方法をさぐりつつ体を動かすことも考える……、そんな方法やツールがあるのかどうかわかりませんが、1~2年間は覚悟しなければならないのかもしれません。子どもたちの笑顔や元気な声が懐かしい今日この頃です。




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 塩崎義明(しおちゃんマン)の公式メインブログです。教育問題について語ります。

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 37年間千葉県浦安市の小学校現場で学級担任として勤導論などを担当。全国生活指導研究協議会常任委員。黒猫大好き。

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2005年8月生まれ。2006年8月に動物病院からしおちゃんマン家にやってきた。

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2008年6月生まれ。教え子(当時小6)達が公園で保護。2008年6月よりしおちゃんマン家の家族に。2017年7月28日逝去。

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