2020/05/18
分散登校をきっかけに
各地で分散登校が始まった様子が報道されています。その方法は、各学校によって様々です。統一させたがりの教育委員会が、各学校ごとの方法を許したことは、最近では珍しいことです。経験のないことなので、それぞれの学校の実態に合わせるしかなかったのだと思います。
教育活動は、実は、それぞれの学校の実態や要求、事情に合わせて進めざるを得ないのです。子ども一人ひとりは違うし、地域ごとの事情があるからです。教育とは本来そういったもののはずです。
しかし、せっかく学校ごとの方法を実施することが許されても、学校は、やがてまわりをキョロキョロしながら、他校に合わせていくのかもしれません。上からの指示に従うことやまわりに合わせることばかり考えてきた最近の学校は、自分で決めることを忘れてしまったからです。
今は法的解釈も含めて、何でもかんでも文科省が決めて学校に支持するみたいな感じになっていますが、現実的には、なかなかそうはいかないことの方が多いのが学校教育です。それを無理して統一させようとするから、そこに矛盾や理不尽さ、珍百景が生まれるのです。
もちろん格差が出ないようにある程度の調整は必要です。しかしそうだとしても、スタートはそれぞれの学校の実態や要求、事情だと思います。ボトムアップ型の教育行政に……、これを機会に作り直してほしいものです。
さて、分散登校の報道を見ていると、教室での子どもたちは、ゆったりと距離をあけて座っています。今の日本の教室サイズで必要な距離をとるには、せいぜい10人から15人程度になるのでしょうか?
登校時間は、下駄箱からプリントを取りに来るだけから、やがて1時間使って教室で学習、そしてその時間は、しだいに長くなっていくようです。
現段階では、分散したグループを、登校時間をずらして学習している地域が多いです。
分散して同時に登校している地域では教室が足りなくなるので、公民館 等を借りて教室代わりにしている所もあるとか。そういった地域は、教室だけでなく、教師は足りているのでしょうか?
分散して登校し、少人数で学習の遅れを取り戻すことは、臨時休校になった時から私が主張していたことです。そしてそのことをきっかけにして学級定数を引き下げればよいと思っています。
近所の学校でも学級を二つに分けて分散登校を始めました。すると一クラス15~20人になるようです。まだ時間を分けての登校なので、教室不足や教師不足の問題は起こっていませんが、分散登校を続けるのであれば、教室・教師確保は急務です。
そして今回のことをきっかけにして、学級定数を思い切って引き下げてほしいと思います。