全校で集まった時に、子どもたちがなかなか集中しない…、おしゃべりが多い、といった悩みを抱える小学校が増えてきているようです。
小学生の集中力のなさと、中学校の(高学年以上の)集中力のなさとはまた違ったテーマで語られるべきだと思っています。
そこで今回は、小学校の課題についてです。
※なお、今回の考察は、集会そのものの課題とは別に考えます。子どもが集中できないのは集会そのものにも当然課題があるわけで、両面から考えなければなりません。それは十分承知しています。
さて…、本校でも他校同様同じ課題を抱えているわけですが、どうしてあんなにおしゃべりが多いのか……、ある日の集会でじっくりと観察してみることにしました。たまにはこうしてじっくり観察してみるのも大切だと思ったからです。
すると、あることに気がつきました。
本校の子どもたちは、自分の行動の一つひとつに自分で解説をつけている子が多いということです。すわること一つにしても「すーわろっと」とか言っています。
「これは?!幼児の行動と同じじゃないか!」
とあらためて思いました。しかもそういったことを中学年(3,4年生)になってもやっている子が多いのです。
幼児は行動を起こす時にいちいち「食~べよ」とか、「こっちに行ってみようかな」等々、独り言を言いながら自分の行動を確認するといったことをします。それと同じようなこと、似たようなことを3,4年生になってもしていることに気がついたのです。
さて、それだけではありません。たとえば他の学年の演技を見ていて簡単な感想をもった時に、いちいち隣の子に「~だよね」とか同意を求める子が多いのです。
これらはいったいどうとらえればよいのでしょうか?そしてどのような指導が大切なのでしょうか?
一つは、"幼児体験がくぐりきれていない"という問題です。幼児の時に十分に体験しておかなければならないことをなんらかの事情で体験しきれていなくて、それを小学生になっても引きずっているという問題です。これは全国どこの教員も口にする「年々子どもたちが幼くなってきている」という事例の一つなのかもしれません。
二つ目は、もしかしたら今の子どもたちは「意識空間」(しおちゃんマンの造語)が狭いのではないか?という疑いを持ちました。つまり、自分のまわり数センチほどしか見えていない(意識できない)子が多いのではないかということです。集会に参加しているといった認識ができなくて、自分とまわりの数人で「見ている」といった意識空間しか持てないということです。(実はこれは集会そのものの問題ともリンクしています。つまり子どもたちの自治による集会になっていないという問題です)
さて、そういった現状の中で、子どもたちの集中のある集会にしていくためにはどうしたらいいのでしょうか?
それはまた次の機会に。