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帯広の講演を終えて

2年間の帯広の講演を終えました。

教師向け講座では、教師はいかにして授業を通して子どもたちとの関係をつくっていくのか……、そして子どもたち自身も子どもたち同士の関係を授業を通してどのようにつくっていくのかを、具体的な実践例をあげながら話してきました。

講演直前まで悩んでいた夜の親向け講座では、子育て共同の大切さを話してきました。教師はいかにして保護者と共同していくのか……、保護者同士の子育てをめぐる関係はどうあるべきなのか…、そんな話を、これもまた具体的な実践例をあげながら話してきました。

私は、現場の教師みんながそうであるように、うまくいかないことの方が多いです。いつも悩んで頭を抱えています。しかしこれからの教育を変えて行くためには、私のような教師が現場の真実の声を出していくことが大切なのではないかと思い、このブログも続けるし、うまくいかない話ばかりですが講座にも行きます。

しかし上からモノを言うようなスタンスは絶対にとりたくないし、とってはいけないのだと思っています。したがって、会場の後始末も一緒になってやることにしています。

帯広のみなさん、お世話になりました。ありがとうございました。

授業で大切にしていること

日頃の授業では、次の三つを大切にしています。

1.自分なりの教材解釈
やっぱり「自分なり」が大切。

2.導入における遊び心
おどろかせたり、笑わせたり。

3.子どもとのやりとり(つっこみとボケ)
子どもたちとどう呼吸を合わせるのか。

木曜日は教育委員会の学校訪問でした。

社会科で浦安の名産、やきはまぐりの授業をしました。

下記のページに、前任校でやった「やきはまぐり」の授業の紹介があります。

焼蛤(やきはまぐり)の授業~小3・社会科~

教材の解釈

立川談春の「文七元結」をCDで聴いてみました。感動しました。あらためてこの人すごいと思いました。

主人公の長兵衛が、
「この50両がなくても、うちは誰も死なねぇけど、でも、この50両がないと、お前は死んじまうから」
と娘が吉原に身を売って作ってくれた50両を手渡す場面では涙が出ます。

私は落語は詳しくないのですが、立川談春という人はこの作品に独自の解釈をしていると言います。彼の解釈によってこの話にリアリティーが出て、今の人たちにも笑いや感動を与えることができているということでした。

ナルホド、解釈か……、と思いました。

私たちは子どもたちに教材を通して教えるわけですが、その教材をどう解釈して子どもたちに教えるのかということはとても大切なことであり、教師にとってみたらやりがいのあるところではないかと思うわけです。

そしてその解釈はその教師の独自の解釈が許されてもいいのではないかということ…、そしてそれは、現場の集団的・研究的になされるものではないかと思いました。

本来教材分析というのは楽しいものなのではないでしょうか。しかしその時間がなかったり(奪われていたり)、上からのキマリにしばられたりしているところに、今の教育現場の不幸があります。

昔の遊びの特徴

総合的な学習でベーゴマやあやとり、かげえ遊びなどの昔の遊びについて調べています。また、子どもたちの日記などでもかんけりが流行っていることも知りました。

そしてふと、今のゲームやカードを中心とした遊びと昔の遊びの違いについて考えてみました。

昔の遊びの特徴の一つ目は、お金があまりかからなかったこと。若干かかったのはベーゴマやメンコ。しかし今のゲームやカードのように親にお金をねだるほどのものではなかったです。

二つ目は集団的な遊びが多かったこと。そしてその集団は異年齢集団であったこと。とても小さな子には特別なルールを与えて一緒に遊んであげることもしたこと。

三つ目は、おもしろくなるようにルールを変えることができたこと。そのために集団の中に話し合いとリーダーを選ぶ力が育ったこと。

逆に言えば今の遊びの傾向は、お金がかかって、極端に少人数で、話し合いのない遊びだと言えるのかもしれません。あくまでも「傾向」ですが。

新・言い聞かせ教育(管理教育と言い換えてもよい)

教育現場では、"気づく" だとか、"子どもから引き出す" といった言葉が好んで使われます。教師から一方的に言い聞かせたり言い伝えたりする(だけ)では子どもたちに力はつかないと考えるからです。

しかしここにきて、"言い聞かせる教育(一方的に伝える指導)" が別な意味で広がってきています。これは、言い聞かせることの大切さがあらためて主張されるようになったからではありません。

最近広がっている "言い聞かせ" は、子どもたちのために言い聞かせているのではなくて、"教師自身の説明責任のための言い聞かせ" です。つまり、指導したことの証拠・アリバイとしての言い聞かせをしているのではないかという疑いを持っています。(私自身もそこに陥ってしまう危険を日常的に感じています)

この "新・言い聞かせ" に対して、子どもたちは異議申し立てはもちろん、疑問を持つことも保障されていません。下手に反論されたり、答えられない質問をされたりすると、教師はきちんと指導したことにならないと考えるからです。

子どもたちとの信頼関係をベースにして教師が言い聞かせることはとても大切なことです。しかし、自分の説明責任と子ども管理のための言い聞かせは、子どもたちに考える力を失わせるばかりか、教師と子どもたち、そして子どもたち同士の関係をますます不信の関係に導くことになるのだと思っています。

全生研代表大和久先生の講演会

子どもたち自身が自分たちの要求で集団にはたらきかけることにより、自分を変革・成長・自立させていくこと…、その法則性を実践の手法とした「集団づくり」。

全生研は集団づくりを生活指導の中心的実践手法として研究・確立してきました。

私たちはこの「集団づくり」を教師としてどのように取り入れてきたのか、そして今でもその実践を続けているということは、他の実践手法に比べて集団づくりに優位性を感じ、教師としてのやりがい、生き甲斐を見いだしてきたからではないでしょうか。

今回は、全生研代表の大和久勝先生に、自らが集団づくりをどのようにとりいれ。そして実践し、今でも集団づくりにこだわっていることの理由や意味を大いに語ってもらおうと思っています。

テーマは「若い人は集団づくりをどうとりいれるべきか」ですが、ベテランの先生も自分の実践を振り返る意味でも大いに学べる学習会になると思います。

来年の夏、浦安・明海大学で全生研全国大会が開かれます。全国から1000名を超える仲間が集まる予定です。浦安市の教育委員会も後援してくれました。

今回の学習をきっかけにして浦安の学習会にぜひ続けてご参加いただければと思っています。

◆と き 2010年11月19日(金) 18:00~20:45(17:30から受付開始)

◆場 所 浦安市中央公民館
※東京メトロ東西線「浦安」下車。徒歩3分。

◆内 容 大和久勝先生の講演
テーマ:若い人たちは「集団づくり」をどうとりいれるべきか

◆参加費 300円(資料代として)
※受付は当日で結構です。

◆主 催 浦安生活指導研究協議会&全教船橋浦安班

子育て共同の壁

親と教師(学校)、地域が一緒になって子育てを担っていこうとする時に、三つの壁があるような気がします。

一つ目は、教師(学校)の親への無理解。自分の指導がうまくいかないことを親のせいにしてしまう傾向が最近特に強いような気がします。

二つ目は、誰かの子育てを批判することでしかまとまれないご近所づきあい。 自分の子育てが批判されないように…、おきあいから排除されないように、どこかをターゲットにしてまとまるといった地域の傾向が全国どこでもあるようです。

三つ目が、他から批判されない子育てを、自己責任でするしかない子育て。 子どもの成長を願う子育てではなく、他から批判されないように管理的、おさえつけ的な子育てをしてしまうこと。そしてそれを自己責任でしかやりようがないという孤独感と不安。

これらの壁を乗り越えて、子育て共同をすすめていくためにはどうしたらいいのでしょうか。難しい課題です。

今、教師に求められている三つの力

都教組中央支部の教研に呼ばれて話をしてきました。

会場の小学校の昇降口に看板が出ていましたが、しおちゃんマンキャラが描いてあったので、なんだかうれしくなりました。

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さてそこで話したのは、今、求められている教師の三つの力について。

(1) トラブル調整・解決能力。
子どもも保護者も、そして教師自身もコミュニケーションがうまくいかない中でトラブルが毎日のように発生しています。その時に教師はその間に立って、その関係を調整し、問題解決にあたらなければなりません。その時に大切なことは、あくまでも共に悩み考えるというスタンスです。上から目線では解決できないばかりか、そのトラブルに自分も巻き込まれていくことになります。

(2)管理主義と闘う力。
子どもの管理…、そのための教師管理。そしてそこから発生するパワハラや仲間への誹謗中傷やいじめ。そして管理主義とはそもそも効率化のみを考える発想であり、私に言わせれば手抜きです。たとえば、あいさつの指導さえしていればいい子になるといった発想。そんな管理主義を押し返し、それに対抗できる教育実践を構築していく力です。

(3)子ども集団づくり。
自治の指導と言い換えてもいいと思います。教師と子どもの関係、そして子ども同士の関係を問いつつ、個々の要求実現や生活改善のためにどのような行動をとればいいのかの指導です。子ども集団づくりは、日常的な授業はもちろん、生活全般にわたって指導していきます。

以上、具体的な事例を通して伝えてきました。

子育ての一番の不安&ストレスは?のアンケート集計結果

はっとさせられる内容もあり、大いに参考になりました。

ご協力ありがとうございました。

[投票期間] 2010/10/10 ~ 2010/10/22
[投票数] 63票

子どもの将来の不安
47.6% (30票/47.6%)
・発達障害でも働きに出られるんだろうか?
・少子高齢、資源不足の日本に教育が追い付いていない
・就職がない
・子育てにお金がかかりすぎる。
・希望する学校に行かせられるか経済的に不安
・世の中仕事がなさ過ぎ。セイフティーネットも。

子育てをめぐる近所づきあい
6.3% ( 4票/ 6.3%)

夫婦間の子育て方針の違い
11.1% ( 7票/11.1%)
・お互い、先が見えず、責め合うだけの関係
・勉強中の子供の前でのアニメ観賞やゲームはやめて!

学校・教師への不満や不信感
4.8% ( 3票/ 4.8%)
・子供自身もですが…

子育てについての自信のなさ
6.3% ( 4票/ 6.3%)
・周囲に左右されない

その他(コメント欄にどうぞ)
23.8% (15票/23.8%)
・子どもの友達関係の悩みを解決してあげられないこと
・他の子供の親の教育 躾は家庭でやるもの
・仕事との両立 放課後の過ごし方や家庭学習
・子供が危険な目にあったり、傷つかないか。
・姑との見解の相違(主人・養母・出産経験なし)
・仕事が忙しすぎて,子どもと関わる時間が無い

お話の絵(小3図工)

[ドングリと山猫]
※同じ山猫でもいろいろな表情が。
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[やまんばあさんとなかまたち]
※大入道先生の迫力を!
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[クレヨン王国なみだ物語「信号機」]
※信号機の寂しさと悲しさを。
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[ぞうのエルマー]
※ぞうのあざやかな色を。
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教員免許更新

来年の夏、教員免許の更新研修&試験を受けなければなりません。

民主党のマニュフェストにはこの制度は、見直し・廃止だったはずなのにそんな話はまったく出ず。

この制度の目的は問題教師の排除ということらしいです。(まあ、質の向上などといったおきまりの名目もあるようですが)しかし不合格になった人はまだ聞いたことがありません。いや、もしかしたらいるのかもしれません。または、これを機会に退職を決意した人もいるのかもしれません。そういった成果?は公開されているのでしょうか?ご存知の方がいらっしゃったら教えてください。

更新研修&試験を受ける大学は選択できて、大学によって教科がいろいろあるようです。国語か体育の教科が多い所がいいな……、などと言っていてよいのだろうか?

今年受けた人によると、最後にこの制度について継続するべきかどうかのアンケートがあったとか。その人は自分がこんなに苦労したんだから他の人もやるべきだと継続に賛成の回答をしたということでした。

更新研修が終わった人に、この制度の継続についてのアンケートをとるなどというのは笑えない笑い話です。

子どもの体がかたいこと

体力テストを進めています。種目は、ソフトボール投げ、50m走、立ち幅跳び、上体起こし、反復横とび、握力、長座体前屈、20mシャトルランです。

さて、最近の子どもは、体が"かたい"とよく言われますが、長座体前屈で、まさにそのことを実感しています。多くの子が体が前に曲がりません。これは姿勢の悪さや、運動不足などが原因としてあげられているようです。

日刊通信では、家庭での仕事(体を動かすお手伝い)をたくさんさせることをお願いしました。そのことで、体がストレッチされるだけでなく、家族の一員であることの自覚が育つと考えているからです。

ちなみに、ソフトボール投げの成績も全体として低くなっているようです。今の子どもたちは、蹴ることは得意でも投げることは得意ではないようです。

このように子どもたちの体力というのは、こうした日本の生活文化の変化と密接につながっていることをあらためて感じたしだいです。

国語「わすれられないおくりもの」(小3)

●あなぐまの側からストーリーを読み拓いてみる
最後の場面では、もぐらや他の動物たちの心情を読み取ることがほとんどの授業で行われていますが、ここではあえて、あなぐまの側からストーリを読み拓いてみることにしてみました。そのことによって、逆にもぐらや動物たちの心情にさらに豊かにせまれると考えたからです。具体的には、亡くなっているあなぐまの今の表情を予想したり、なぜそのような表情をしているのかを考えたりすることでした。

●絵を見るとこと・描くことで読みのイメージをふくらませる
文字からだけではなかなかストーリーのイメージの広がりが見られないと予想されたので、最後の場面の挿絵を大きく掲示したり、今、あなぐまはどこにいるのかを考えたりすることでストーリーのイメージの広がりを期待しました。また、あなぐまの表情を描いてみることで、自分が読み拓いたイメージを図でえがきながら、それを文章にしていくといった試みもしてみました。

※研究授業は、学年の若い先生が展開しました。

[発問]
あなぐまさんはどこにいますか
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発問
その時のあなぐまさんの表情を描いてみよう。
またその理由も書きなさい。
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発問
もぐらさんの「ありがとう、あなぐまさん」のあとの思いをふきだしに書いてみよう。
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ヨシムネ&ねね

しおちゃんマンの飼い猫、黒猫ヨシムネと ねね

ヨシムネ
ヨシムネ ♂
2005年8月生まれ。2006年8月に動物病院からしおちゃんマン家にやってきた。

ねね
ねね ♀
2008年6月生まれ。教え子(当時小6)達が公園で保護。2008年6月よりしおちゃんマン家の家族に。2017年7月28日逝去。

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