2011/04/30
続・「チーム」の危険性
「チーム」と連呼する管理職が、やたらと増えている事を、4月3日に書きました。⇒ チーム、チームって?
情報によると、「チーム、チーム」と連呼するのは、経済産業省編『社会人基礎力育成の手引き』朝日新聞出版のキーワードだからだそうです。その他に、「アクション」と「シンキング」とうキーワードもあるようです。
ちなみに私は、すべての「チーム」を批判するものではありません。仲間同士のチームワークやまとまりは、確かに大切だと考えているからです。そして、真のチームというのは、一人ひとりの個性が尊重されて生かされ、それぞれがその個性を支え合う関係だとも考えています。
そういったチームであれば良いのですが、どうも最近連呼されているチームというのは、みんな同じように考えて、同じように行動する事を強制するように感じるので、注意が必要です。
しつこいようですが…、職場の「まとまり」というのは、上から指示されるものではありません。「まとまり」を上から指示したとたんに、それは「管理」になってしまうのです。
そういった管理は、没個性を生み出し、個性的な教師を、"協調性がない!" と差別します。
そして、マイペースな教師を、"仕事ができない教師" として、見下す雰囲気を生み出します。
さらには、みんなで "やらない" ことで足並みをそろえ、教育活動は停滞します。
1学期に運動会を行う学校が増えてきましたが、その中で、職員のTシャツをそろえようとする動きもあります。こういったうわべの雰囲気づくりは、私の経験上、将来的に必ず破綻します。うわべの雰囲気づくりをしようとする学校は、教師間に特定の悪い私的グループをいくつも生み出してしまうからです。
※それはなぜか?はもう分析済みですが、今回は詳しくは書きません。簡単に言えば、推進する層、嫌がる層、どっちでもいい層が明確になり、さらには運動会当日に、着ている人、着ない人…、という目で仲間を評価し合うようになるからです。
本当にまとまりのある職場を目指すのであれば、職員一人ひとりの教育実践の自由を保障し、その環境を整える努力をするのが管理職のみなさんの仕事だと考えています。