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簡単にはほめられない

ほめることは子ども一人ひとりを励まし、集団にも前向きなトーンを広げます。

教師の指導でも、子育てでも、ほめることはとても大切なことだとされています。

しかし高学年以上から、安易にほめられない…、というのが本当のところ。「みんなの前でほめないでくれ」といった子どもたちの声があるからです。子どもたちは自分がほめられると、集団から浮いてしまうと感じる時があるようなのです。

つまり、ほめることも大切ですが、ほめられて喜ぶことのできる子どもたち同士の関係をつくることこそ重要であるということ。

何をどのようにほめるのかは、難しい教育技術であり、研究が必要なことであるということです。

2011松戸市教育研究集会でミニ講座

2011/10/29、2011松戸市教育研究集会でミニ講座をしますが、その時の資料です。

-----↓ここから↓-----
高学年の学級づくり うまくいくポイント

1.主催者から与えられたテーマの3つのポイントについて
(1) 高学年であること⇒高学年をどうとらえるの?
(2) 学級であること⇒自分の学級だけ、ということが可能か?
(3) うまくやるということ⇒うまくやってる学級ってどんな学級?

2.仲間関係の中で今までの自分を否定し、新しい自分をつくりなおしていく時期
(1) 自分が大嫌い
(2) ゆえにみんなの前に出たり出されたり、話題にされたりするのが嫌
(3) 影響力のある仲間に強いあこがれを持つ。

3.三つのポイント
(1) 個人の対話を特に重視し、一緒になって悩むこと
(2) 公的に取り組むことと、非公開に取り組むことの区別をしっかりつけること
(3) 常に実践をオープンにして、学校づくりにひらくこと
-----↑ここまで↑-----

ソフトボール投げ本番

26日に体力テストのソフトボール投げ本番。

5年生の男子の測定をしましたが、投げる子は50mくらい投げます。一方苦手な子は、男の子でも10mくらいです。この個人差が大きすぎる。

さて、前回ソフトボール投げのことを書いたとき、ソフトボール投げは、戦前は手榴弾投げで、懸垂は歩兵銃を扱うためのものだったという情報をいただきました。ありがとうございました。

詳しくは、スポーツライター玉木正之さんの講演録に書かれています。

教師も求め出した安心空間

子どもが求める安心空間。

最近では職員室でも同じようなことが起こっているかも。

なんでも話せる同僚を求める。

いじられキャラをいじったり、自分がいじられたり。

共通の批判対象をみつけて一安心。

最近では、こういった人間関係に疲れたというか、くだらなさを感じてしまって……。無理してまわりに合わせている自分に嫌気がさして落ち込んでいます。

だったら若い時みたいに、正義を過激に、声高に叫んで、浮いて、嫌われた方がましなような気がするし。

それこそしおちゃんマンだ!!と思ったりもしている今日この頃。

安心空間を生み出すもの

ここのところ書いている「安心空間」について。

ちなみにこれは、高学年以上の子どもたちを想定しています。

子どもたちはいったいどうしてこういった関係をのぞむのでしょうか。いや、正確に言うとのぞんでいるのではなくて、そこに逃げ込むしかないといった感じです。

ひとつは、子どもたちは、地域や学校の中で、常に自分が他と比較されて評価されているのではないかという思いと、追いつめられ方をしているということ。しかし、そういった自覚はないこと。

二つ目は、上記の評価は、学力や運動だけでなく、人間性の評価にまで及んでいると感じていること。

三つ目は、自分が家族の中では、勉強しなければならない存在としてしか扱われていないと感じてしまうこと。保護され、自立を後押ししてくれる家族関係ではなく、家族が、今の自分を否定し、追いつめていく存在として見えてしまうこと。

そんな中で子どもたちはまず「安心」できる空間を求め、その中で自分の存在を模索しているように見えて仕方がないのです。

私は教育研究者ではないので、子どもたちの普段の教室の様子や日記、悩み相談などからしか今の子どもたちをとらえることはできないのですが、今の日本の子どもたちを見ていて感じたことを書いてみた、という感じです。

安心空間と子どもとの距離

10月11日に子どもたちの「安心空間」について書きました。

子どもたちは安心できる空間・関係をのぞんでいること。そしてその空間には、以下の3つの要素があること。1.なんでも話せる仲間がいる。2.いじれる仲間がいる。または、自分がいじられ役の位置にいる。3.外部に批判する対象がいる。

これではちっとも安心ではないじゃないか、という声がありますが、実はそうでして、「安心空間」の「安心」とは、「安心したい」「安心だと思いたい」という意味での「安心」なのです。ゆえに実態は、いつ自分が外されるかの「不安」でいっぱい…、ということになります。

したがって子どもたちは無理にキャラを起てたり、自分の意見を封印して強い意見・多数な意見に同調することに必死だということ。さらにやっかいなのが、自分がそういうふうに生きているのに気がついていないということです。

さて、若い先生方が、「子どもとの距離が近すぎる」「もっとびしっ!と指導してもらわないと困る」と先輩教師から叱られている光景が増えてきました。

実はこの「子どもとの距離が近い」とうことは、教師が子どもたちの「安心空間」に入り込んでしまっているということだと考えています。ゆえに、そういった教師は「いじられ上手」で、子どもたちからも一見好かれています。

しかし、子どもたちが、子どもたち同士の関係の中で自立を求めているのなら、教師は一歩その空間から離れた方がいいかもしれません。しかししかし、それは、子どもたちとの接近が許されないということではないのです。教師としての距離とり方を、「間合いのとり方」と言葉をかえて考えてみたらどうか?ということです。

高齢者について

総合的な学習で、高齢者福祉の学習。

私自身、そろそろ高齢者なのに、高齢者について何もわかっていないことが判明。

まずは高齢者の定義。

国連の世界保健機関 (WHO) の定義では、65歳以上の人のことを高齢者としているとのこと。

そして、65~74歳までを前期高齢者、75歳以上を後期高齢者、85歳以上を末期高齢者というそうです。

まずこのレベルから、子どもたちと一緒に学習を始めました。

11月の「ふれあい発表会」(文化祭みたいなイメージ)で、高齢者福祉について発表しなければならないので、少し焦っています。

気になるラストシーンの黒い影

宮沢賢治「雪わたり」の教材分析をしていてきになっていること。

11歳以下しか参加できないきつねの幻灯会から帰ってくる四郎とかん子を兄たちが迎えにくるのですが、それが「黒い影」という言葉で表現されていること。

宮沢賢治の中では、大人になるということはどういう意味付けがされていたのだろうか?肯定的にとらえられていなかったことだけは確か。

子どもの世界の中でしかわかりあえないきつねと人間の関係。大人になって失っていくものはなんなのでしょうか?

しかし最近の子どもたちをみていると、子どもだけの世界が喪失させられているような気がします。子どもの「大人化」とでも言いましょうか……。

生活の中で、子どもたちだけがもっていた世界を取り戻す必要があると思っています。

一斉授業をやらない傾向

おそらく各地の小学校で、校内の研究授業がなされている時期ではないでしょうか?

さて、校内研のような公開授業で、学級全体で考えて話し合うといった場面がどんどん少なくなってきているような気がしているのは私だけでしょうか。

先日の本校の授業でも、一対一やグループでの活動が30分以上/45分中で、担任はそのペアーやグループをまわるだけなので、教師の指導性についてはほとんど研究がなされません。個別指導については若干触れられますが、40人近い子どもの教師の個別指導について話し合うのは現実的ではありません。

グループやペアーで話し合う場面は大切です。私も多用しますがそれはあくまでも、全体討議を見通してのことです。

"全体で話し合うと、発言できない子が参加できない"、とよく言われますが、発言するにこしたことはないのですが、自分とは違った(または同じ)考えをもった仲間の意見を聞くだけでも十分な学びだと思っています。そしてそこに、グループでの話し合いを入れながら、全体の前ではなかなか発言できない子の声を保障していけばさらに効果があがることは言うまでもありません。

今一度全体で考えたり話し合ったりすることについて、見直していく必要があるような気がします。

ソフトボール投げ

体力テストでソフトボール投げの種目があります。

ボールを投げるという動作は、年々子どもたちができなくなってきている動作です。高学年の男子でも、いわゆる「女の子投げ」(肩を回して投げられない)をする子が最近はたくさんいます。

一方、足でボールを扱うのは上手です。私たちが子どものときの時代と比べると、信じられないようなボール扱いを足でやっていますね。

こういった子どもの体力の変化について、最近ではあまり気にならなくなりました。つまり、あまり心配していないということ。特にボールが投げられなくなったということについては、日本人の生活に、物を投げるという動作が必要なくなったのかもしれないと考えるようにしています。(もちろん、野球をやりたい子については話は別です。)

ちなみに、ヨーロッパでは…、たとえばドイツの子どもたちの体力テストにはソフトボール投げはありません。種目は、片脚立ち、サイドジャンプ、垂直跳び、自転車エルゴメーター(持久力)、体前屈、平均台後ろ歩き、立ち幅跳び、腕立て伏せの8種目です。日本と比べて、物を投げる種目がないことと、バランス能力を測定する項目が2つあるのが特徴的です。

こう考えると、時代や場所によって、試されるテストが違っていることがわかります。つまり、体力というのは、時代や地域と密接な関係があるということです。もしかしたら、ソフトボール投げという種目は、何年か後にはなくなっているのかもしれません。

※しおちゃんマンが子どものときは、懸垂、という種目がありました。斜め懸垂ではなくて、鉄棒に両手でぶら下がって懸垂をする種目です。
 しおちゃんマンはけっこう得意でした。

初任者の授業を参観して

本校には初任者が2人います。その2人が一昨日体育の授業を公開・展開しました。最近の初任の先生は、研修研修で本当に大変です。一昨日のように、指導教官や自校の職員の前で何度も授業を公開して指導を受けなければなりません。

初任の頃は授業が未熟なのは当たり前。しかしその分、子どもたちに全力で、まっすぐにぶつかっていく良さがあったはず。ところがその良さは今の研修制度の中、否定され、生かされなくなってしまいました。

さて一昨日の授業は、2年生がボール投げ、3年生が跳び箱の台上前転でした。

ここ数年の初任者のみなさんの授業を見ていて感じることは、

1.専門的・科学的な研究が弱い。
・たとえば一昨日の授業の場合、ボールを上手に投げるためにはどうしたら良いか、跳び箱の上で前転ができるようになるためにはどうしたら良いのかの研究が弱いように思いました。ボールを上手に投げるためには、投げない方の腕や足でどうバランスをとったり、勢いをつけたりするのかが大切なはず。台上前転は、両足踏切をいかにタイミングよくできるかが大切なはず。そしてそれらの指導の筋道があるはずです。

2.授業全体のイメージがない。ゆえに組織化されていない。
・授業のめあてを達成させるために子どもたちがどう動き、最後にはこうなる、といった授業のイメージが持てないでいる。ゆえに、そのための子どもたちを組織し、活動方針をたてることができないでいる。

3.そして何よりも、若いという良さが生かされた子どもとの関係が生かされていない。
・若い時は、子どもたちが先生を助けてくれている、子どもたちがフォローしてくれるあったかい雰囲気が授業に生まれる、というのは今はもうなくなってしまったのでしょうか?(ちなみに今回の2人にはありました!)

以上は、初任の先生たちのせいではありません。

ただいたずらに多忙化だけを推進する初任者研修制度の責任です。このままでは、若い人たちは、育てるどころかつぶれてしまいます。

勤務時間内で仕事をするという意識

勤務時間は、8:15~16:45ということになっています。しかし誰もこれを守っていません。ほとんどの人が夜まで仕事をしています。それどころか、勤務時間ですぐに帰ることを批判的に見る風潮があたりまえになっています。

勤務時間内に仕事が終わらないことこそ力量がない証拠であると言われてきた私たちの世代とはまったく逆の空気が流れています。

私の勤務時間の現実は、早朝6:20~17:00です。こんなに仕事をしていても17:00に帰ってしまうことを批判的に見られていると思っていますし、まわりから皮肉を言われたこともあります。

そして、私が帰ってからいろいろなことが決まっていたりします。しかし逆にフォローもしてくれています。フォローしてくれているがゆえに余計に17:00に帰ることが悪いことのように思えてしまいます。

以上のような学校現場を "問題である" と考えなくては何も始まりません。

念のために書いておきますが、これは早く帰ればいいという問題ではありません。遅くまで何をしているのか?という問題です。そしてそれは本当に必要な仕事であるのか?逆に子どもたちを追いつめることになっていないのか?という仕事内容の検討でもあります。

教師の過労死、精神的疾患、自死…、こういった広がりを私たちの世代が現場にいるうちになんとかしておかなければならないのです。

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ヨシムネ&ねね

しおちゃんマンの飼い猫、黒猫ヨシムネと ねね

ヨシムネ
ヨシムネ ♂
2005年8月生まれ。2006年8月に動物病院からしおちゃんマン家にやってきた。

ねね
ねね ♀
2008年6月生まれ。教え子(当時小6)達が公園で保護。2008年6月よりしおちゃんマン家の家族に。2017年7月28日逝去。

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