2011/11/30
「オンリー自分」の子どもたち
今の子どもたちは大変だ、大変だというけれど、いったい何がどう大変なのかよくわからない…、といった声があります。考えてみたら、40人集まって、7時間、8時間生活しているのを見ているのは学校の教師だけですから、一般の人がわからないのは無理もないわけです。
家庭での様子と、集団で生活している様子とはおそらくかなりのギャップがあると思うし……。
しかし一方で…、今の子どもたちって、どんなですか?という質問に答えるのにかなり苦労することも確か。一言ではいい表せないので、よくある事例で話します。たとえば……。
教師の机の上に子どもたちのノートを山積みにして、
「ここから自分のノートを持っていきなさい」
と言ってみたら、今の子どもたちはどうすると思いますか?(高学年でイメージしてみてください)
正解は、一斉に、われ先にと走ってきて、自分のノートを取るために他の子のノートをバラバラにして、ひどい時には机の下に落として踏んづけても平気で、自分のノートだけとって知らんぷり、というのが、残念ながら今の子どもたちの様子を端的にあらわす事例だと思います。
これはあくまでもイメージ事例ですが、今の子どもたちはあらゆる場面でこういった、「自己中心」をはるかに超えた「オンリー自分」(しおちゃんマンの造語)の価値観・視野の中にいます。
これは、自分のことだけしか考えられないとか、自分中心主義とかいう、ある意味「激しい」意味ではなく、視野の中に自分しか見えないといった、悲しい孤立感的なイメージてとらえています。つまり、他の人のことを考えないのではなく、最初から考えるための視野がないのでではないか?という疑いを持っています。
そういった子どもたちの中に友情や連帯を育てるというのは並大抵のことではないということだと思います。教師は腹をくくって指導にあたる必要があるわけです。