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職員室は付箋文化

朝一番(6:30頃)に学校に来て、職員室の机の上…、ほとんどの机の上になんらかの付箋が貼られていることにあらためて気付きました。

自分の覚書メモ、他の人からの伝言、そういったものが、いろいろな大きさ、いろいろな色の付箋に書かれて貼られています。

実は私も、昔から付箋を重要な仕事術として利用しています。

▼仕事術(1)
http://shiochanman.com/essay/sigoto-1.html

しかし、他の人たちとのコミュニケーションの道具としては利用したことがないですねぇ。それだけ現場が、異常に忙しくなり、自分の仕事は飽和状態、そして同僚ときちんと向き合って話をする時間…、連絡する時間さえなくなっているとも言えるのだと思いました。

下から信頼・支持されるリーダーに

全国からの悲鳴のような事例を聞いていて、思うこと。

これから上に立つ人は、上から評価されるよりも、下から信頼・支持される管理職になってほしいものです。しかし残念ながら、この大切な価値観が学校現場ではなかなか通用しないところに、今の子どもたちや教師の不幸があるな、と。

職員に相談しないで、上から降りてくるものをなんでもかんでもやらせようというスタンスも、自分が上からどう評価されるかばかりを考えている証拠。そんなことは、子どもや職員はすぐに見破ります。そしてあなたたちに信頼をおこうとはしなくなるでしょう。

「上から降りてきたものを我々にやらせるのが自分の仕事だ」と開き直る人がいます。しかし私に言わせれば、それでは20%しか仕事をしていません。残りの80%として、私たちの声を行政に反映させるといった下からのベクトルをイメージしてもらわなければ困ります。

私よりも下の世代が、どんどん管理職になろうとしていますが、下からのベクトルのイメージが持てる勉強をしてこなかった人ばかりのようで、私たちの苦しさに共感できないようなのです。苦しんでいるのは、私たちの力量が無いからだと言い張るので、もう "勝手にどうぞ" っていう感じです。

確かなことは、そういった人たちは、子どもの指導も同じようにしてきて、うまくいかない時は、すべて子どもや保護者のせいにしてきたんだろうな、と思うわけです。

時間やまわりの人との折り合いをつける力

右手首の腱鞘炎が、もう2ヶ月間治らない。いやむしろ痛くなる一方。原因不明だから余計に腹が立つしイライラする。

そのせいか、仕事のスピードが落ちた。これから学期末で忙しさが増す時期に困ったものだと……。それよりも何よりも、仕事に対する意欲が萎えてしまう……。

そんな状態で、ぼんやりとSNSを読んでいて、 "それにしても日本にはすごい先生がたくさんいるなぁ…" とつくづく思う。どうしてそんな授業ができるのか、どうしてそんなすごい授業の準備ができるのか、準備の時間をどうやってつくっているのか、自分などは、やらなければならないことをこなすのに精一杯の毎日だ。

そういったカリスマ先生は、きっと時間やまわりの人たちとの折り合いのつけ方が上手なんだと思う。折り合いをつける力って、ある意味「思想性」だと思う。何こそ大切にしなければならないのか(どんなことに時間をかけてはいけないのか)がわかっていて、それがぶれることがない。

そんな力をつけたいと思う。

ご褒美シール文化

二十数年ぶりに低学年を担任して、低学年は「ご褒美シール文化」だとあらためて思いました。がんばった証としてのシールやカードをとっても喜んでくれます。これでやる気を出してくれるなら、と、私も含めた担任はがんばりシールを多用してしまいます。

ここで注意しなければならないのは、なんのためにその取り組みや学習をしているのかということ。ついついシールのためになってしまう……。最初はそれでもいいという意見もありますが、その過程で、取り組みや学習の意義を確認することは少ない……。

ちよっと前の学校では、漢字や計算ドリルをどこまで進んだのかを明らかにするために、子どもたちの名簿一覧にシールが貼られた掲示物がどこの教室にもありました。さすがにそれは、遅れた子の(シールが少ない子の)やる気がさらにそがれるということで、最近は目にしなくなりました。

ご褒美シール文化は、きっかけと励まし合い・高め合いのために。同時に取り組みや学習の意義をその過程で必ず学ぶ。そして、どのようにシールをやめていくのかを見通していく。そんなイメージでしょうか。

理不尽なことを拒否できる教師に

現場に相談や検討も無しに勝手にいろいろ決めて、有無も言わせずやらせようとすることについての「振り回され感」がひどい。

文科省や教育委員会、管理職や主幹・教務・主任等々の中には、自分たちが決めたことは、まわりが「御意」と言って、なんでもかんでもやるものだと勘違いしている者がなんと多いことか。現に、その通りに動こうとしている健気な教員がなんと多いことか。

さらに問題なのは、そのやらせようとする内容が、あまりにも陳腐なこと。どう考えても、子どもにとって必要のないことや、教育的な意味が感じられないことが多すぎる。

そんなことよりもやらなければならないことがたくさんあると考えた時、「いたしません」と言える教師になろうではありまんか。もはや拒否は悪いことではない。拒否をしないで子どもたちを苦しめることの方がずっと悪いことです。

1の段って…(日刊通信より)

2014年10月27日(月)2年1組 NO.109
1の段って…

算数の、かけざん1の段。

覚えるのに一番簡単なのに、どうして最後に出てくるのでしょうか。自分が小学生の頃も最後に出てきた記憶があるので、ずっと最後だったのだと思います。

最後に出てくる理由は?どの文献を見ても、1の段は、かけざんにする意味を教えにくいから、そして唱えにくいから、といったことが書いてありました。
 
一人に一個ずつ、3人では何個?
5人に一個ずつ配ると、全部で何個?

確かに、かけざんで考える前に、文章の読み取りレベルでわかってしまう計算。かけざんとして教えるのは逆に難しいのかもしれません。

インイチガイチ、インニガニ……、う〜ん、言いづらい……。

しかし、かけざんの規則性を教えるのに、1の段は大切なのだと思います。「たとえ答えが簡単であっても、同じように考えることが出来る」ということを教えるために、1の段は大切なのだと思っています。

プロ野球のチーム(日刊通信より)

[2014年10月24日(金)小学校2年1組 NO.108]
プロ野球のチーム

算数の、かけざん9の段。

サッカーは、11人。ラグビーは?と聞くと知らない子がほとんどだったので、15人だと教えます。バスケットは、5人。そして野球は?と尋ねると、一斉に9人!ほとんどの男子は知っていました。

次に、日本のプロ野球チームで知っている名前を出せるだけ出しなさい、と言ってみると、9チームまで、どんどん出てきました。しかし、どうしても出てこないチームが3つ。どこだと思いますか?広島カープ、中日ドラゴンズ、西武ライオンズが、出てこなかった…、たまたまだとは思いますが……。

さて、野球は一チーム9人。2チームで試合をするので、選手の数は、9×2。セリーグは6チーム。9人が6チームで、54人の選手がプレーしていることに。以下、いろいろなパターンで練習。

これで9の段まできました。あとは1の段をやって、もう一度最初から練習しなおします。だから、あわてなくていいです。
まだすらすら言えなくても大丈夫です。大切なのは、焦らないこと。どの子も、必ず覚えられます。

かけ算8の段とイカの足

8の段で、1あたりを教えるのに、タコの足をよく使います。1匹(杯)あたり、足が8本だからです。
 
さて、一般的にタコは8本、イカは10本ということになっていますが、実はイカの足も8本だということを、8の段の教材研究をしていて最近知りました。(20年以上低学年をやってこなかったので、新鮮です)

イカの足はタコとおなじ8本。残りの2本は、「触腕」で、合計10本。それで獲物を捕らえたりするのに使うそうです。

へ~。

虫とり

2年生の生活科の学習として虫とり(昆虫さがし)をします。

さて…、 "首都圏で" 、虫とりができたのは、もしかしたら私の世代が最後かもしれません。(昭和30年代) とってきたカブトムシに糸をくくりつけ、ブンブンと飛ばせていた記憶があります。

デパートで昆虫が売られ始めたのを知ったときにはショックでしたが、今ではあたりまえになってしまいました。

夏休みの宿題で、昆虫採集は定番でした。昆虫に薬を注射して乾燥させ、針で刺す昆虫採集は、今では「残酷」「かわいそう」「気持ち悪い」とされ、できる子はほとんどいなくなりました。

今では、昆虫採集どころか、小さな虫を見ただけで泣き出す “高学年の女子”もいます。体に発疹が出てしまう子もいます。それでも、昆虫が大好きな子は、まだまだたくさんいますし、生きているものとの “おつきあい”は大切だと考えています。

六の段と昆虫の定義

2年生、算数のかけざん、六の段の授業。

まず、知っているだけの昆虫の名前をあげていきました。すると、あれ?これは昆虫かな?というのが出てきます。

そこで、昆虫の定義について教えました。まず、体が、頭・胸・腹の三つにわかれていること。そして羽があって、足が6本。すると、クモやダンゴムシは、昆虫ではないことがわかってきます。

クモは、体は、頭と腹。足は8本です。ダンゴムシの足の数は、14本です。

〜以下、略〜

※そろそろ虫の声が聞こえる季節になります。場所によっては、赤とんぼもとび始めますね。日本は、昆虫のこうした声や活動によって、季節感を感じることが出来るわけでして、こういったことが感じられる感性も、子どもたちにとって大切なことだと思うわけです。

虫の音がゲーム音やテレビの音でかき消されていく日常の中で、子どもたちの豊かな感性もまた消されていくばかりでなく、他者や自分を大切に出来ない子どもになってしまう……。そんな悪循環をどこかで断ち切りたいものです。

10/22 日刊通信より




デリケートに丁寧に

食べるという行為が人間が生きていく上で根源的な行為のひとつであるとしたら、教師は学校で子どもに食事をさせていることにもっとデリケートでなければなりません。

給食の完食を安易に強制してはなりません。偏食があるならば、保護者と十分話し合い、理解を求め、ゆっくりとしたペースで指導するべきです。その過程で、当然家庭との食事の(献立の)連携も必要になってくるはずです。

そうした丁寧なはたらきかけをしないで、 "完食デー" を設けたり、完食を目指す(強制につながる)がんばりカードをつくったりすることに疑問を感じざるを得ないのです。

残飯の重さを量ってクラス間競争をさせている学校の話も聞きました。子どもですから無理して食べる子もいるだろうし、食が細い子が責められることも出てくるでしょう。学校というのは、どうしてそうしたことのイメージが持てなくなるのでしょうか?

目に見える成果ばかりを追いかけてはなりません。本来の意味を見失ってはなりません。

「班」をめぐってのシンポジウム

 ネットサークル:集団づくり研は、SNSやメーリングリストを利用して地域を超えた全生研の仲間が集まり、日常的に研究活動、出版活動を進めているサークルです。
 サイトは、下記になります。
http://shiozaki.info/G/
 FaceBookページは、下記です。
https://www.facebook.com/shudanken

 また、出版では、これまでに「スマホ時代の学級づくり」「スマホ時代の授業あそび」の2冊を発行しています。

 そのネットサークル:集団づくり研で、2014年10月18日(土)に、学習会を開きました。
 会場の関係で参加定員を20名にし、ネットで参加者を募集しました。全生研の会員でない方も含めて定員ちょうどの20名の参加がありました。

 テーマを、『学級集団づくり新たな時代』とし、全生研常任委員の若手3人の方に参加してもらい、このテーマでシンポジウムを開きました。以下、その内容について報告いたします。

 まず塩崎の方から、最近の若手の実践は、班−班長会−総会といった組織に依拠しない自治の指導のイメージを持っているのではないか……、そのイメージとは具体的にどのような実践なのか、といった、ある意味「いじわる」な問いを投げかけてみました。

 バネラーからは、子どもが抱える背景の重さや、トラブルの問題が重すぎて、班はあるけれど、子どもの問題をそういった組織に依拠したとたん、子どものリアルな声が消えてしまうような気がする、子どもたちの中で起こる突発的な出来事を問い直すことに実践的にひかれることなどが語られました。

 だとしたら、班はいらないのではないか?と問うと、3人とも、班は必要で活用しているとのこと。どのように活用しているのかと言うと、
・子どもたち同士の「かかわり」の保障。そこで起こる出来事についての、行動についての指導の場。
・居場所やベースキャンプ、シェルターとして。
・学習の保障として。

 ちなみにここで語られた班とは、全員参加組織のこと。人数が違っていても、男子だけ、女子だけの組織でも、全員参加であれば「班」として語ってもらいました。この班のつくり方については、人数や班の数にはこだわらないことは、若手では普通に行われているようです。

 そういった班づくりでは、公的リーダーはどのようにして生まれるのか?という参加者からの質問に対して、答え始めた時に時間になってしまいました。リーダーについては、次の機会に学んでいきたいと思います。

ちなみに塩崎は、
【聴き取る→応答する→ひらく→つながる→結ぶ→広げる】
といった自治のイメージを最近持っています。

 子どもの声を聴き取り、それに応答する中で、協同して取り組むべき世界や課題が現れ、その課題に対して協力して取り組むという形でつながりが生まれ、そのつながりの中で互いの関係が結びあわされていく、というイメージです。協同して取り組む、という時に、全員参加組織や自主的グループの活動があるといった感じです。ただし、目的に応じてその編成方法の自由や、参加・不参加の自由は保障されると思っています。

 今あらためて「スマホ時代の学級づくり」に書いた年間計画表に注目したいです。
http://shiozaki.info/sheet/102nenkan.html
 この計画表をもっと豊かにしていく作業を進めてみようと考えています。

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ヨシムネ&ねね

しおちゃんマンの飼い猫、黒猫ヨシムネと ねね

ヨシムネ
ヨシムネ ♂
2005年8月生まれ。2006年8月に動物病院からしおちゃんマン家にやってきた。

ねね
ねね ♀
2008年6月生まれ。教え子(当時小6)達が公園で保護。2008年6月よりしおちゃんマン家の家族に。2017年7月28日逝去。

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