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2014年から2015年へ

2014年が幕を閉じようとしています。個人的には、ここ数年高学年担任ばかりだったのが、24年ぶりに2年生を担任することになったのが大きな話題。今年も子どもたちや保護者のみなさんからたくさんのことを学ばせてもらっています。

今年も全国たくさんの所に呼ばれて話をさせていただきました。『学校珍百景』も発刊し、ラジオや雑誌、新聞等々の取材にも応じました。私自身の2014年のテーマ「言葉を届ける」は達成できたでしょうか?

学校現場では、あいかわらず教師や子どもたちの苦悩の声が聞こえてきます。子どもたちを管理・支配せねばならない苦悩と、そのつもりはなくても子どもたちからしてみたらつらいことを強いるように見える教師たち。

教師が子どもたちと仲良くすること、失敗を許すことが「甘い指導・いけないこと」と評価される日本の学校現場。ひたすら成果をあげることを求め始めた日本の学校現場。教育は数値では計れないことをいつのまにか忘れてしまった日本の学校現場。

日本の子どもたちは "学校はつまらない" 、 "教師は怒ってばかりだ" と言います。その声に日本の教師たちはどう答えるのか。

第三次学級崩壊の時代になり、不登校、児童虐待増え、教師の精神疾患も急増。そんな現場の悲鳴を無視して、小中連携だの学校スタンダードだの、上からの管理はますます強くなるばかり。これから日本の学校はどこへ向かうのでしょうか。

ここで一度深呼吸して目を閉じ、子どもたちの笑顔を思い出してみようではありませんか。まだまだ日本の教師はすてたものではない、というのが私の思い。2015年は子どもたちの笑顔があふれる学校にしていきましょう。

子どもたちに本当の笑顔を取り戻す

学校はつまらない、勉強は面倒くさいと、子どもたちに言わせてしまったのが日本の教育の最大の失敗。

先生は怒ってばかり、友達は自分のことしか考えていない、ちゃかし・嘲笑ばかりがウケて正義を主張するとはじかれる、一人でいることが許されない……エトセトラ。そんな毎日が続く中、「楽しい」ってどういうことなのか、わからなくなってしまった……。

学校に子どもたちの本当の笑顔を取り戻す。本当の笑顔ってなんだったのかを思い出しながら。それが来年の自分の目標。

アンケート重視の教育活動は危険

学校評価やいじめ対策、教師の不祥事防止まで、最近はアンケートを使って把握したり評価したりする傾向が強くなってきていることに疑問を感じています。

そして、アンケートをとっておけば、地域や子どもたちの声をよく聞いて学校運営がなされているようなふりをすることはもっと疑問です。

アンケートそのものには応答関係が存在しません。傾向を知るためのツールにすぎないのではないでしょうか。にもかかわらず、その数字を絶対化し、振り回されるのはおかしい。

もっと気をつけなければならないのは、アンケートというのは、主催する側によって世論を操れるということです。つまり質問の仕方によって答えを誘導できる。

教育は、教師と子どもたち、子どもたち同士の応答関係の中で成立します。それを忘れ、何かにとりつかれたようにたくさんのアンケートを取り始めた日本の学校現場。アンケートではなく、応答関係重視の教育活動に戻ってほしいものです。

写真で振り返る2014

写真をあまり撮らなくなりました。それでも何枚か抽出して2014年を振り返ってみます。

原発の授業の本は、厳密に言えば2013年末なのですが、この本を利用して原発問題についての学習会に参加したのは2014年。珍百景は現在『学校珍百景2』を準備中です。
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このところずっと高学年でしたが、24年ぶりに2年生を担任。3月に『怪人』登場の劇をやり、一ヶ月後に『給食パクパクマン』の劇を指導しました。
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今年も、都内、沖縄、大阪、香川、新潟、佐倉、奈良、富山、埼玉に、講座でおじゃましました。写真は、香川のうどんと、富山の大仏。
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地元の浦安の子育てシンポジウムに参加させていただきました。
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今年は、雑誌や新聞、ラジオなどに、おそるおそる出てみた年。これからはこういつたことにも積極的に出て、私たち現場の声を伝えていかなければならないのかも。でもまだそういったことに警戒している自分がいます。
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来年はどんな年になるのでしょうか。

※来年は、もう少し写真をたくさん撮ろうと思っています。www

『教え子を戦場に送るな』

『教え子を戦場に送るな』という教職員組合のスローガンは、数十年前は、「そんな時代がくるわけないじゃないか」と思われ、 "ださいスローガンだ" と批判されることがあったようだ。

ところが最近では、『教え子を戦場に送るな』というスローガンに対して、「国のために戦える子どもを育てない教育はおかしい」と批判される時代になってしまった。「こういうふうに、戦争をする国になっていくのか……」と、あらためて思う。

"戦争を起こさないことが大切" 、これは国民みんな一致できる。だとしたら、そのための方法を、歴史の教訓に学びながら、もっともっと研究・実践する必要があるのではないだろうか。

起きてしまったときのために憲法を変える、などというのは、あまりにも安易で早急。別の意図さえ感じてしまう。教室にいる目の前の子どもたち、自分の子どもや孫が戦場に行くイメージが持てるようになってしまった今の時代を憂う。

同世代のフリみて我がフリなおせ

前にも書いたように思うのですが、50歳を超えると、年下に、たくさんたくさん語りたくなってくるようです。同世代が、熱く語っているのを忘年会が続くこの時期、たくさん見かけます。そしてその話を、気付かないように苦笑・失笑している若者達の顔も。

それを見ていて、恥ずかしいなぁ…、と思ってしまうのが自分。そしてもしかしたら自分も?と怯えてしまうのも自分……。

飲み会では、聞かれたことしか話さない。あとは、 "つっこみ" に徹する。

それがここ数年の飲み方です。

冬休みに入ったけど

冬休みに入りました。といっても、やること満載。

来月10,11日は、熊本で講演があるので、その準備。全生研の九州各県のリーダーが集まる学習会(九州地区学校)なので、ここは少し気合いを入れて!

そして15日(木)は、全生研の仲間にまるまる1日教室開放。今年は、北海道から15名、大分から1名の仲間が、しおちゃんマン学級を一日参観してくれます。その準備もしなければ。

そしてそして、「学校珍百景2」の編集。3月29日の集団づくり研講演会の準備も始めます。

まだまだ今年は終わりません。

教師の口をふさぐものとの闘いが始まる

来年は、教師の口をふさごうとするものとの闘いになる。教育方法の統一などは、そういった種の攻撃の第一歩。

実践の自由が奪われ、目の前にいる子ども不在の教育方法が「スタンダード」という名目で教師に押し付けられる。今もほとんどの教師が、悔し涙を流しながら、それに応じている。

しかし、教育方法の統一を後押しした「ユニバーサルデザイン」の側から、逆に統一批判が出てきたいることに注目したい。子どもたちの多様なニーズに答えることこそインクルーシブであり、教育のUDであると。

そもそも教育方法の統一は、○○小スタンダードだの、○○小学習の姿勢づくりといった、教師管理の方法として打ち出されてきたもの。その背景には、国のための子どもづくりを掲げた教育基本法の改悪から発していることは明らか。インクルーシブだのユニバーサルデザインだの、そして "秋田の学力向上方法" などは、それに利用された感がある。

実践の自由を守り、教師の意見表面権を行使し続けるためには、、私は、子どもが教室の主人公として生き生きと学習し、生活している事実を出しつづける闘いを選択する。現場で子どもたちと生きていくことを選択した自分は、その闘いしかできない。

幸いに、子どもたちの笑顔は、私たちの実践でしか得られないことが、すでに証明されている。そして何よりも、教師の実践の自由、意見表明権を守ろうとする仲間は、思想信条を超えてたくさんいることに元気をもらっている。

教師は「自分」を子どもにぶつけて……

最近の若い先生は、
「担任が自分でなかったらもっとこの子たちは伸びたのに……」
と、自分を責めている人が多いことを知りました。

「そんなことないよ」
と励ますことのできる仲間になりたいと思いつつ、教師と子どもの出会いというのは、どんな出会いでもそこに「学び」があると思っています。

ここでいう「学び」とは、テストで良い点がとれるスキルのことではありません。生活力というか、生きる力すべの「学び」を言います。

そういった意味では、出会いは多様な方が良いと思うわけで、若かろうがベテランであろうが、子どもたちにどんどん「自分」をぶつけてみれば良いと思うわけです。

一方で、教師個々が「自分」を出さずに、「いい教師・できる教師」のふりをして子どもに接しなければならないところに、今の現場の息苦しさがあると、あらためて思いました。

「学び」は共同作業

「学ぶ」の語源は、「真似ぶ(まねぶ)」「まねる(真似る)」とする説があります。たとえば指導の方法についても、自分が良いと思った方法、やってみたいと思った方法について真似ることは教師の「学び」の第一歩かもしれません。

しかし、真似たことは所詮真似をしたことであってけっして自分の方法ではありません。そこからいかにして自分らしさ、自分発見、自分の方法を見つけ出していくのかが大切だと思っています。

一方で、この「真似る」ことから始まる学びは、どんなにベテランになっても繰り返して良いと思っています。ベテランになると経験主義に陥りやすい。以前できたから今回もできると思い込んで、結果的にうまくいかないことが多いです。

そういった意味で、私の場合、若い人たちから大いに学ぶことにしています。若い人の方法を真似ることもあるし、逆に若い人から真似られたことがうまくいかないと、どうして彼がやるとうまくいかないのだろう?と学び直すこともあります。

いずれにしても「学び」とは、はたらきかけ・はたらきかけられる関係の中で成立していくものだと思います。「学び」はそもそも共同な営みなのだと考えています。

学習スタイル・規律統一批判

授業のユニバーサルデザインの考え方で、授業スタイルを特定の学習スタイルに統一しようとする動きがあります。地域によっては、挙手・発言の仕方や、毎時間の板書の書き方まで統一させようとする所もあるようです。

教育方法の統一化の危険性については、私も朝日新聞の取材で話しておきましたが、インクルーシブやユニバーサルデザインの考え方を "利用して" 学習スタイルを統一させていこうとすることについてあらためて批判的な意見を述べておきます。

一つ目は、特定の学習スタイルや規律を強いることで、逆に、そういったことになじまない子の排除につながるということです。

二つ目は、わかりやすさを前面に出してしまうことで、疑問や矛盾を感じ、そこから深まる授業の醍醐味や本質を見失ってしまうことです。

三つ目は、学びに対する多様なニーズに応えることができなくなるということ。

最後に、教師が、合わせることばかりに目を奪われ、思考停止になり、子どもの側に立ったアイデアや工夫のある授業を生み出すやりがいや意欲を失ってしまうことです。

最近ようやく、特定の学習スタイルや規律を統一させていこうとすることに対して批判的な意見が出始めました。全障研やイギリスの教育学会からも、批判的な研究的発言が出てきたことに注目しています。

今後も、さらに批判的な意見が出てくるでしょうが、そもそも学習スタイルの統一など不可能であること、当然矛盾がふきだすこと、最後には "統一させているふり" をするだけの現場になる、といったおきまりの流れになるような気がします。

ご存じない方のために

たとえば、管理職に提出した会計簿の表紙に「不可」という付箋を貼って、職員全員に見えるように、その教師の机の上に返しておくのはパワハラです。

たとえば、校長が職員の前で、教頭を怒鳴り散らすのは、教頭に対してのパワハラであると同時に、それを見ている職員に対しても威圧を与えているということで、パワハラです。

たとえば、通知表のチェックが、人によってその基準が違うのは(たくさん直される人とあまりなおされない人がいる)、不平等であるということだけではなく、たくさん直される人に対して、りっぱなパワハラです。

たとえば、教育方法を強制的に統一させようとする命令指示はパワハラです。そこには子ども不在の力関係が生まれているからです。

そして、そんな管理職が、学校のモラールアップ委員会の「長」になっていること自体が、その学校職員全員に対してのパワハラであると同時に、子どもたちから信頼を失う学校であると言えます。

教師の年賀状2015

年賀状の季節になりました。いや、

数年前に、子どもたちに出す年賀状の誤字脱字までチェックする学校がある話を書きましたが、まだやってるのかなぁ?確か、きっかけは、保護者からの、教師の年賀状の誤字脱字についての苦情でした。

今だったら、教師が子どもに出す年賀状のデザインをそろえましょ、なんて学校が出てきそうですね。

おっと、あまり余計なことを書くと、本気でやり始める学校・学年が出てきそうで恐いです。

それほどおかしな時代になってしまった。

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小学校で37年間学級担任として勤務/現在大学で教師を目指す学生に指導。/最新著書『教師と子どものための働き方改革』(学事出版)//iPhone12 Pro/Surface Laptop3/黒猫大好き/手相は両手とも「ますかけ」。

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ヨシムネ&ねね

しおちゃんマンの飼い猫、黒猫ヨシムネと ねね

ヨシムネ
ヨシムネ ♂
2005年8月生まれ。2006年8月に動物病院からしおちゃんマン家にやってきた。

ねね
ねね ♀
2008年6月生まれ。教え子(当時小6)達が公園で保護。2008年6月よりしおちゃんマン家の家族に。2017年7月28日逝去。

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