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排除と思考停止を生み出す「スタンダード」化

最近では、単に "足並みをそろえる" 、ということだけでなく、教室掲示、板書する場所やチョークの色、発問の仕方や子どもの頷き方……と、あらゆる場面に統一の基準を設ける「スタンダード」化が進みつつあります。

これは、その教育効果や目標達成が目的ではなく、その通りにできたかどうかを「結果責任」として問う、というところが今までの「足並み揃え」「マニュアル化」と違うところです。

そこには、「マニュアルどおりにしない教師」を「マニュアルどおりにできない教師」としてダメ出しをし、排除していこうとする特徴があります。

こういった動きは、教師の生きづらさが、ますます増すだけでなく、教育目的や子どもたちの成長・発達を願う教師の思考を停止させ、決められたマニュアルによる期待通りに動けない子どもたちに、さらに冷酷になる、といった危険性があります。

そこで、そこから抜け出すための五つの提言を書いておこうと思います。

1.「できる教師」であることにこだわらず、子どもの生きづらさに寄り添いつづける。

2.子どもの生きる現実に注目し、そこから実践をスタートさせることにこだわる。

3.子どもとの対話と応答の中で指導と被指導の関係を一緒に紡ぎだしていく。

4.子どもの現実と成長の事実を、同僚と共有する。

5.子どもが生活と学習の主体となる活動をつくり出す。


学校珍百景2―まだまだ出てくる「学校あるある」
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書籍:生活指導とは何か (教師のしごとシリーズ)

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[内容紹介]
教育現場に持ち込まれた「新自由主義的価値観」の下、教師に課せられた「育成目標」、「教員統制」のなかで、迷い、立ちすくむ教師に応える、いまを生きる教師の新しいテキスト!

教育基本法が廃止され、新教育基本法が制定され今年で10年を経過。

それで学校は子どもと教師と保護者にとって「幸福追求」の〝場〟になっただろうか。

行政の用意した〝マニュアル〟に沿い、無自覚のうちに画一化した学級運営になり、教師の原点を危うくしている。

「道徳の教科化」、「ゼロトレランス」(罰則強化)の採用、他方「授業のスタンダード」、「ビックデータに基づく子どもの学習システム化」など、教師としてのアイデンティティを根底から揺さぶられ、改革に立ちすくむ教師が出ている。

そうした時代を生きる教師の迷い、揺れ、絶望に応えるために、「教師のしごとシリーズ」全三巻を刊行!

第一巻「生活指導とは何か」
第二巻「生活指導と学級づくり 小学校」(来年2月上旬)
第三巻「生活指導と学級づくり 中学校」(9月中旬)

全生研の実践家と研究者が贈る「生活指導」の新しい入門書!

[出版社からのコメント]
現在はびこっている〝新自由主義〟。それが教育現場と関係しているなど、日頃は私たちはあまり意識していません。

けれども、新自由主義は言い換えれば自己責任の上に成り立つ競争主義なのだと考えられます。

この本の中に、「包摂と排除の切断線」という言葉が出て来ます。

新自由主義の今の社会では、切断線がいくつも組み込まれているというのです。

その一つが「勉強ができるかできないか」です。

「頑張っても、わからない壁にぶつかるんだもん」と中学生の少女は言い、勉強ができないと教室で排除されてしまうことを訴えます。

一人の教師は、彼女の要求にどのように応え、彼女と共に生きる教室に変えていくのか。 

学校で宿題や掲示物、配布物を学年統一にする傾向が強まり、個々の教師の裁量権が減っている状況、競争に追い立てられる状況がどのようにつくられ、どのように変えていけるのか。現場のいきいきとした実践を交えながら、研究者が解説します。

原稿プロット『学校の変容と教師の課題〜今教師として生きる〜』

400字詰め原稿用紙240枚

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はじめに
 ● "寛容" でなくなってしまった日本の教師
 ●教師を追いつめているものの正体は?

詩『子どもがいうことをきかないわけ』

一 学校が "国" のものになってしまった
 ●「大日本国立小中学校」
 ●子どものことは「扨置き」(さておき)
 ●第三次学級崩壊の広がり
 ●強いられる「子育て自己責任」と家族問題の広がり

詩『子どものことは扨置き(さておき)』

二 教師の生きづらさ
 ●教師として "生きづらい" 背景
 ●学校のスタンダートー化と教師管理
 ●競争から降りることの勇気
 ●生きづらさは出会うことができる

詩『できる教師になりたくありませんか?』

三 生活指導教師は元気だぞ!
 ●子どもからこそ元気をもらえる
 ●子どもと悩み、保護者と悩む
 ●子どもの権利を守れる学校に
 ●自由と権利のある学校への再生

詩『教師の良心』
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「最高の学級」でなくていい

「最高の学級」の「最高」とは何か?という問題はとりあえず置いといて(笑)、「最高の学級」でなくても良い、という、大いに誤解を受けるであろうお話です。

「最高の学級」だの「良い学級」だのという言い方は、教師が「最高」や「良い」を求めているという時点ですでに "危険" だと思うのです。まあ、大体においてその教師の自己満足で終わっているのが殆どなのですが……。

たとえば……、優しさと思いやりと団結に満ちた集団ってリアルじゃない……。そこで子どもは何を学ぶの?と思うわけです。そんな学級集団でありたいと子どもたちが願うのは良いとは思いますが、そうでなければ "ダメな学級" 、というのは絶対違う。

自分は「最高の学級」ではなく、 "リアルな学級集団" の方がいい。トラブルもあるし、どうしても好きになれない仲間もいる。安心できる場もあるけど、そうでない場もある。そのなかでどう生活していくのかが問われる集団の方がいい。

常にみんなで頭を抱えていて、どうしたらいいか悩んでいて、他の学級からは「ダメな学級」と言われている。それでもなぜか忘れられない学級……。それでいいじゃないか…、いや、そんな学級集団でありたい、と。

「最高の学級」にするために一人ひとりの自由、権利が奪われたりするのはおかしいし(そもそもそれは「最高」ではないというつっこみを覚悟しつつ)、そんな学級が多いような気がします。

実は自分もずっとそんなまちがいをおかしてしまっていたかのもしれない、という反省もあるのです。

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学校体育研究同志会 第24回 東京支部研究大会

8月22日(土)に、学校体育研究同志会の東京支部研究大会に呼ばれて、特別講座をすることになりました。以下、ビラのそのままのご案内です。よろしかったらご参加下さい。

-----↓ここから↓-----

学校体育研究同志会は、「みんながうまくなること」、「ともに学び合うこと」を大切に、体育・スポーツ・健康教育の民主的・科学的な発展をめざす教育実践を追求しています。

学校体育研究同志会 第24回 東京支部研究大会

2015年8月22日(土)〜23日(日)
明星学園小・中・高等学校会場

主催 学校体育研究同志会 東京支部研究大会実行委員会
後援 三鷹市教育委員会

「あなたのクラスの授業づくり〜子どもと創る体育の授業〜」

<実行委員会からのよびかけ>
・・「あなたのクラス」に体育研究同志会実践を!ぜひ!・・

子どもや子ども集団(学級)に、どのように向き合っていますか?

私たちは、「子どもの体の育ちを見つめる」、「子ども集団の育ちを見つめる」、「子どもたち自身がわかり、できることを実感していく」、そんな視点をもっています。

そこで、この大会では、「子どもと創る体育の授業づくり」を提案します。参加者に方々には、「あなたのクラス」を想定しながら、私たちの実践紹介の中からたくさんのヒントを掴んでいっていただけたらと考えています。

昨年度、一昨年度のテーマは「体育と学級づくり」でした。

今年度、私たちはそのテーマを発展させ、「集団での学び合い」の姿がよりわかり、具体的な授業づくりへの視点が得られることをねらいに、提案内容の検討をしてきました。

そして、「あなたのクラス」にも、そのクラスの学ぶ力、集団で成し遂げる力を強くする、体育同志会のグループ学習を知っていただきたいと願っています。

折しも、各現場には若手が増えて、様々な授業づくりのための教師側のニーズが高まっています。他方で、困難な教室が増えている実態もあります。

今、それらの課題を乗り越えるための授業、そして授業の質を高める研究実践が必要とされています。そしてそれらは、目の前にいる子どもの現実に寄り添うということにもなるはずです。

2学期から、授業実践でクラスの課題を乗り越えるための「よりよいツール」として、今大会で紹介される実践が活きるならば、紹介した甲斐があったというものです。

本大会は一般的な形式の研修会ではないです。トップダウンではなく、参加者と共に学び合う体育同志会です。参加者がお互いに学び合う一体感を味わえるようにしていきます。

例年、多くの「目からウロコ」の感想を聞いています。「わかり」そして「できる」ようになる体育授業を実感してください。そして、「あなたのクラス」の授業づくりに活かしてください。

学校体育研究同志会
〒160-0023 東京都新宿区西新宿8丁目2−34 502 電話:03-3361-0260
※ 支部大会に関する連絡は、090-6542-0185 増田(支部大会実行委員)までお願いします。

全国HP
http://taiiku-doshikai.org/
東京支部HP
http://doushikai2013tokyo.blog.fc2.com/

学校体育研究同志会が編集・発行する、体育、スポーツ、健康教育の月刊誌「たのしい体育・スポーツ」の購読をおすすめします。

【タイムテーブル】
●8/22(土)
9:30〜受付
10:00〜12:00 分科会(1)
昼食
13:00〜15:15 分科会(2)
移動
15:45〜17:45特別講座

●8/23(日)
9:00〜12:00 分科会(3)
昼食
13:00〜14:00 分科会(4)
14:30〜15:30 全体交流会

※受付開始は9:30です。明星学園小学校の校舎入り口に案内表示があります。受付で参加費を払い、各分科会への案内を受けてください。遅刻で参加される方、2日目のみ参加される方(お勧めしませんが)は、明星学園小学校内の会議室にある支部大会実行委員会本部へいらしてください。ご案内いたします。(当日連絡先090-6542-0185増田)

※昼食は近くにコンビニが2件ほどありますが、用意してくると便利です。(部屋は冷房が効きます。)

※全体交流会は、各分科会の学びの成果を交流する機会になります。

[特別講座の紹介]
大会テーマに合わせた魅力的な特別講座です。この機会にぜひ学んでください。

★特別講座A「子ども集団づくり」
塩崎義明(全国生活指導研究協議会)
今、子どもの側に立った授業づくりを進めようとする時、教師自身の「生きづらさ」から目をそむけるわけにはいきません。一斉・一律・競争といった上からの授業が強いられ、教師自身が「生きづらさ」を強く感じる中、私たちはどのような闘いと共同を経て授業づくりをしていけばよいのでしょうか。学びから共同へ、そして共同から学級集団づくりへ、具体的な実践で語ります。

☆特別講座B「部活動・生徒指導」
星野 実、井口成明、淺川俊彦
・シンポジウム形式で行います。コーディネーターは高校教諭の高崎が行います。「部活動」と「生活指導」の二部に構成します。前半は、部活動の理念・目的、目指す生徒像、運営方法、学校の教育課程からみた部活動、顧問の厳しい現状を、そして後半は、中高のホームルームをどう作っていくか、生徒会、委員会、行事運営についての現状、生徒理解とどう結び付けていくのかを話題に取り上げていきます。生々しい現状だけでなく、現場でどのように切り抜けているかを語り合います。

☆特別講座C「からだ・表現」
酒井忠喜、栗原 茂
〜からだを通した授業づくり〜
・からだを通した授業づくりは、子どもたちの学ぼうとする気持ちを育みます。「相手にいい時間を与える」という考えを根底に学級全体、子どもも教師も学び合います。「毎日レクリエーション」のインプロゲームやアクティビティ、体育の体ほぐしの運動、国語の物語づくりや詩の創作、表現を行う予定です。学級づくりの考え方や技術は参加者の参考になります。授業を通して学級づくりや学級の問題を一緒に考える分科会にしたいと思っています。いい時間をおくりましょう。

☆特別講座D「学級づくり」
大志保隆広
・なるほど、これならおもしろそう!〜「体育大好き」で楽しい学級・学年をつくる〜
予告編(1)『線なし天国・地獄・大地獄』、(2)『流れ作業』のバトンパス、(3)『ミニ運動会』を学年で、(4)『みんな違ってみんないい。ゴールは一緒だよ』の学年教師集団交流会やりましょう!!

[分科会紹介]
第1分科会 陸上(走)※校庭
『姿を変えながら展開する幼児から高校までの走の動きづくりとリレーの教材づくり・授業づくり』
・幼児〜小学校・中学年〜高学年・中学校と、走の動きづくりとリレー教材づくり・授業づくりは、その姿を変えながら展開していきます。今、分科会では、幾つかの発達段階にスポットを当てて、アフォーダンスやコオーディネーショントレーニングも意識しながら、教材提案と実技、実践紹介を行います。全学年
◎久保○深谷

第2分科会 ボール(1)サッカー型※校庭
『じゃまじゃまサッカー』
・低学年を通して、学級の人間関係を変えたいという願いをもって実践を行いました。今回はじゃまじゃまサッカーという教材のよさを知ってもらうだけでなく、実践で見えた課題をみなさんと実技をしながら改善していければと思います。みなさんの参加をお待ちしています。小低・中学年
◎小林○栗原

第3分科会 跳び箱※小中体育館
・跳び箱を用いた授業において、基本的な授業づくりの視点を順序だてて提案します。
・子どもの発達段階・実態に合わせた跳び箱指導のあり方や、必要な運動技術の系統的な知識やその見取り方を学びながら、参加者のみなさんに「わかる」「できる」を実感してほしいです。小低・中学年
◎大貫○石川

第4分科会 マット※イチョウホール
・ネコちゃん体操で器械運動に必要な感覚を養います。その後「お話マット」で空間表現を楽しみましょう。お話マットからは「側転を含んだ3種目の連続(転回系・回転系・バランス系の連続技)」に進みます。最後は集団音楽マットにも挑戦しましょう。マット運動の教材価値をみんなで吟味し、ともに上手くなりともに楽しめる授業を創造しましょう。小低・中学年
◎剛力○川畑

第5分科会 運動会表現※高校ホール
・演技種目のタイトルを決めたあとも、悩みも大きいのでは・・・。「踊りは決まったけれど、隊形や演出はどうしよう。」「先生が一人で踊って教えているだけでいいのかな?」この分科会では、一つずつの動きにふさわしい隊形や移動のしかた、始め・終わりの効果的な演出、そして何より子どもが主体的に作品を創り上げる学習のすすめかたを提案します。既存の踊りを使ったり、実際に踊りを創ったりして試してみます。演技につながる日常生活の中でのボディワークや学級指導の実際も体験しながら、ご一緒に創造の喜びを味わいましょう。全学年
◎井上○永沼

第6分科会 鉄棒※小中体育館
・準備運動では器械運動に必要な感覚が身につく「ネコちゃん体操」を紹介します。鉄棒運動に必要な感覚が楽しみながら身につき、どの子も安心して取り組める「お話鉄棒」について提案します。また、子どもたちが夢中になって取り組む「コウモリ振り」、「コウモリ振りおり」の指導法について研究します。小低・中学年
◎児玉○富田

第7分科会 ボール(2)ベースボール型※校庭
「目からウロコのベースボール学習」
・野球の楽しさを授業でも。みんながわかってできる(うまくなる)ベースボールの授業のポイントをバッチリ教えちゃいます。キーワードはピッチング、ストライク、ボール。その言葉の真の意味を知れば、「目からウロコ」です。さあ、あなたもナイスバッティング!小高〜中学
◎横森○片桐

第8分科会 ボール(3)タッチボール〜タッチバスケ※高校体育館
「ボールゲームって、こんなシンプルでいいの?!」
・攻守が入り乱れて行うボールゲーム(サッカー、バスケ、ハンドなど)の初歩に最適なボールゲーム「タッチボール」を提案します。子どもたちがノリまくる秘密を一緒に体験しましょう。さらに、バスケへのブリッジとして、ルールそのままの「タッチバスケ」も 紹介します。小中・高学年
◎島村○菅野

※雨天時は、体育館を利用して開催していきます。履物の切り替えをお願いします。
※当日、運営上の都合で、会場が変更の場合があります。ご了承ください。

[会場]
○明星学園小・中・高等学校が分科会の会場になりますが、受付は小学校です。
○最初の受付は、明星学園小学校の校舎入り口までいらしてください。受付の案内表示が出ています。
○交通機関ですが、JR中央線・京王井の頭線の「吉祥寺駅」が最寄り駅です。駅より井の頭公園を抜けていくと徒歩で20分ほどです。
○バスを利用される方は、吉祥寺駅からは1時間に1本くらいですし、道路が混雑の影響を受ける可能性があります。JR三鷹駅の南ロータリーから、三鷹シティバスの明星学園行きだと、毎時5分と35分に発車で、より便利だと思います。会場は終点です。途中下車(明星学園入り口という紛らわしいバス停があります。)しないようご注意ください。

[大会参加費]
一般:3000円
学生・会員:2000円
当日、受付票を記入の上、受付で参加費をお支払いください。

[大会の申し込み]
○申し込みはメールでお願いします。
tackmix@star.ocn.ne.jp 遠藤まで、「氏名」「連絡先(電話など)」「所属先」「希望分科会」「希望特別講座」をお願いします。もし、メールが届かないようでしたら、電話090-6542-0185増田まで連絡をください。

[持ち物の注意]
○体育の研修会です。運動をする着替え、履物のご用意をお願いします。また、当日は暑さが予想されます。水分補給などの用意、着替えなどはお忘れのないことを願っております。

●実行委員会より
当日、何かありましたら、本部の方へ遠慮なく申し出てください。また、お近くの実行委員へも、気軽にお声かけください。一生懸命、対応させていただきます。なお、当日に参加していただいた方から感想をいただいております。東京支部内の会報用に写真を撮影する場合がありますので、ご承知おきください。(情報流出のないよう、厳粛に取り扱います。)また、事前情報につきましては、東京支部HP http://doushikai2013tokyo.blog.fc2.com/にも流してまいります。よろしくお願いいたします。

<お知らせ>
○会場には吉祥寺書店による教育書の販売が行われています。お昼休みなどに、ぜひご覧ください。

○なお、学校体育研究同志会の機関誌「たのしい体育・スポーツ」や創文企画などの体育同志会出版物も販売されています。この機会にぜひ、こちらもお手にとって見てください。

-----↑ここまで↑-----

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学校の「変容」

学校の変容のなかでどのようにして教師として生きるのか、という原稿を400字×24枚書かなければなりません。まず、学校の変容とは何か、という問題。それはなんといっても、学校が地域のものから国のものになってしまったこと。

子どものことは「扨置き」(さておき)、国から降りてきたものにとりあえず対応しなければならなくなったこと。今の現場の異常な多忙感の正体はこにあります。

そのことによってよけいにうまくいかなくなるわけですが、その説明責任のためにまたまた忙しくなる、といった悪循環。

一方で、家族問題も深刻。児童相談所からの問い合わせや、学校からのやりとりも増えました。友だちに暴力をふるう子は、親からの身体的暴力や無視、育児放棄等の体験がある子がほとんどであることがわかってきています。

そんな中で、教師としてどう生きていくのか、というところまで来て、筆が止まっています。その続きを7月中に書いてしまう予定。出来上がったら、また紹介させて下さい。

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揺れることを卑下しないこと

私たちは、教師の人間関係や力関係と、子どもたちの声や要求の中で「揺れながら」指導することが多いです。

しかし、そんな「揺れて」しまう自分を否定的に評価する必要はありません。「揺れている」がゆえに見えてくるものがあるからです。

教師としての生きづらさがあるがゆえに「揺れる」わけですが、実は、教師の生きづらさは子どもたちの生きづらさでもあるということ。

つまり、教師が「揺れる」たびに、 "子どもたちの生きづらさとの出会い" があるということです。そこに、実践の糸口があります。

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子どもたちの命は守られているのか……

夏休みになって、事故や殺人で、子どもたちが亡くなった報道ばかりで暗い気持ちになります。今年は特に多くないでしょうか?

子どもや若者の命が奪われたり、危険にさらされている国は、良い国だと言えません。

危険な場所が放置され、人件費削減のために目が行き届かず、子育ては自己責任が強いられる……。

子どもたちや若者にとって命が危険にさらされる国になってはいけないのだと思います。

事故や事件の背景に何があるのか…、そして国としてやらなければならないことはなんなのかをもう一度見直してほしいと思っています。

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意見表明権と自己決定権を守るために

ブログを毎日更新。それは教師の意見表明権を守るためであることを言い続けてきました。そして今、教師だけでなく国会議員も含めた日本人の多くが意見表明権を失って(自ら手放して)しまったのではないでしょうか。

"みんなで決めて、みんなで守る" ということは、自分の言いたいことを我慢して組織に従うことではありません。それらの意見が多数であろうと少数であろうとお互いの意見表明権や自己決定権を保障・尊重しながらどう行動したらいいのかを決めていく過程そのもののはずです。

自分が自分であるために、私たちはそうした "モノ" と闘い続けなければならないのかもしれません。

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自分が自分であることを受け入れてくれる他者に導く指導を

最近の子どもたちの荒れ、暴力、いじめの問題と、最近の若者達の、妙なテンションの高さとか、悪ふざけがつながっているように感じています。そこに彼らのどんなメッセージが隠されているのでしょうか。

一つは、学校の管理強化や、学力向上に脅迫的に追い立てられたり、切り捨てられたりすることへの自分なりの言い分が言語化できないもどかしさと、自己肯定感の喪失。

二つ目が、優位な位置に立つ競争と自己防衛化したコミュニケーション関係。場合によってはそこからの自主的離脱。

三つ目が、家庭での親子関係のもどかしさや鬱陶しさ、場合によっては、身体的暴力や無視、育児放棄等の被虐待体験。

もしかしたら今の子どもたち・若者は、ありのままの自分を出してはいけないと感じているのではないか?それは危険なことだと感じているのではないか?

だとしたら、自分が自分であることを受け入れてくれる他者に導く指導が求められているのかもしれない、と思うわけです。

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「生きづらさ」が出会うとき

今教師でいることが苦しいのは(生きづらいのは)、目の前の子どものことは「扨置き」(さておき)、周りと足並みを揃えるふりをしつつ、かつ競争的に上からの指示に対応しなければならないからです。

こうした教師の「生きづらさ」は、実は子どもたちにも不安と息苦しさを与えていることを自覚しなければなりません。つまり、教師の生きづらさは子どもの生きづらさでもあるということ。

たとえば、話の聞き方・頷き方まで統一させなければならない今の学校の生きづらさは、教師の生きづらさでもあり、子どもの生きづらさでもあるということです。

しかし実はここに、子どもとの関係をむすぶヒントが隠されています。つまり、教師自身の生きづらさと向き合うことが子どもの生きるストーリーに参加することである、ということです。

そこでまず、自分の「生きづらさ」の正体と背景に向き合い、意見表明していくことから始めてみませんか?その準備や過程で必ず子どもたちの生きづらさとも出会うことができるはずです。

そのことが子ども理解を生み出し、子どもたちと一緒になって学びをつくりだし、活動し、仲間を広げていくことができるのだと、最近考えています。

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小学校で37年間学級担任として勤務/現在大学で教師を目指す学生に指導。/最新著書『教師と子どものための働き方改革』(学事出版)//iPhone12 Pro/Surface Laptop3/黒猫大好き/手相は両手とも「ますかけ」。

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ヨシムネ&ねね

しおちゃんマンの飼い猫、黒猫ヨシムネと ねね

ヨシムネ
ヨシムネ ♂
2005年8月生まれ。2006年8月に動物病院からしおちゃんマン家にやってきた。

ねね
ねね ♀
2008年6月生まれ。教え子(当時小6)達が公園で保護。2008年6月よりしおちゃんマン家の家族に。2017年7月28日逝去。

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