2015年3月27日、小学校・中学校・特別支援学校の学習指導要領の一部改訂が行われ、道徳の時間が「特別の教科・道徳」となりました。道徳の検定教科書が利用され、文章による評価がつけられます。
小学校が2018年度、中学校は19年度から実施。ただ2015年4月以降、各校の判断で新指導要領の内容を反映した授業が可能なので、すでに試行的に実施している所もあります。
以下、「生活指導」誌8/9月号「考える道徳の考え方(1) 子安潤」論文を参考にして整理してみたいと思います。
具体的な変更としては、1)「道徳の時間」を「特別の教科 道徳」にした。2)道徳的実践力という目標が消えた。3)道徳の検定教科書が作られる。4)文章による評価がつけられる。5)読み物教材等を「考える道徳」教育にしてアクティブ・ラーニングを推奨。
つっこみどころがたくさんあるのですが、今日は個人的にまず気になったことで、どうして「特別(の)」という言い方をしたのか…、「特別(な)」という言い方をしなかったのか、ということについて触れておきたいと思います。
特別(の)教科…、格別の味…、真っ黒の炭……、もっぱらの噂……、「の」の使い方を考えているうちに、ハライチの漫才みたいになってしまいました……(笑)。
「の」という格助詞は、「特別という領域の」「特別という意味合いの」といった意味になり、「特別」であることをことさら強調したり確認したりすることになります。「特別(な)教科」というふうに「教科」を説明する意味とは少しだけニュアンスが違ってきます。
子安潤氏にこの件について尋ねたところ、文科省の公式の説明はなく、議論の過程で、教科の慣行的基準(教科の免許、教科書、数値評価の3つ)を満たしていないので、「特別の教科」と言ったことがそのまま使われたのではないか、ということ。つまり(1)『例外的な』の意味。
しかし内部的には、おそらく(2)『殊の外(ことのほか)』(格別、とりわけ)という意味で考えたいと思っているかもしれないということ。つまり、他教科よりも上位に考えた、ということ。(教科化を主導した押谷氏は否定)
ちなみに、学習指導要領の各教科の欄に道徳との関連づけが示されています。かつて修身を上位に位置づけたようなシステムが、いろいろな事をベールにつつみながら、ソフトな形でできあがったことは間違いないようです。
しおちゃんマン
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