2018/08/31
日本の学校の「掃除」文化
【「学校珍百景」へようこそ】欧米の学校では専門の清掃員が学校の掃除をするのが一般的です。子どもが掃除をする日本の学校の「清掃活動」は、世界的にみると「学校珍百景」なのかもしれません。
子どもが学校を掃除する国は、日本を初めとするアジアの仏教国、または仏教的伝統をもつ国々です。これらの諸国では、掃除を人間修行の重要な方法とみなす仏教的掃除観がその背景をなしています。すなわち、掃除は単に身辺を清潔にするだけでなく「心の掃除」に通じるものをもっている、としています。
また、わが国の掃除は穢(けがれ)や不浄を忌む神道の清浄感にも深く根ざしていて、学校掃除の背景には、神道の影響もみられるようです。
さて、そんな日本の清掃活動学校については、清潔な習慣の育成、公共心の育成、健康の増進、勤労の体験など、教育としてすばらしい取り組みだとする人と、逆に、児童労働・虐待になりかねないと懸念する人、学校は掃除よりも勉強の場所であると主張する人もあり、賛否両論あることも事実です。
さて、そんな日本の「清掃活動」には、地域によって様々な特徴があるようです。
福島県いわき市では、清掃時に子どもたちが「ひざあて」をつけます。地元の方たちにとっては、全国みんな「ひざあて」をするものだと思っていたようなのですが、これはどうやら、いわき市だけのようです。宮崎県では、ほぼ全域中学校の女子は清掃着なる、かっぽう着を着るそうです。服装だけでなく、かけ声をかけてぞうきんがけをする学校や、逆に、いっさい黙って行う、いわゆる「黙働」の学校もあります。
最近では、両手を前に出して行う「ぞうきんがけ」が禁止されている地域が増えてきています。理由は、顔面を強打したり、歯を折ったりの怪我をするからです。こういった地域では、「ワイパーふき」で床をふいています。
こうして続いてきた日本の学校の掃除ですが、子どもたちの生活スタイルの変化、大人の学校に対する価値観の変化、それらを総合的にもう一度見直して、子どもが掃除することについて、教育的に構成し直してみても良い時代なのかもしれません。
参考 『沖原豊著『学校掃除』(1965・学事出版)』
こうして続いてきた日本の学校の掃除ですが、子どもたちの生活スタイルの変化、大人の学校に対する価値観の変化、それらを総合的にもう一度見直して、子どもが掃除することについて、教育的に構成し直してみても良い時代なのかもしれません。
「子どもたちが雑巾をしぼれない」という実態が言われて久しく、長い箒や塵取りを使う家も少なくなり掃除機が全てのごみを吸い取ってくれます。そして今ではそれらをロボットがやり始める「掃除新時代」です。このような時代にあって、学校の掃除はどのように変化していくのでしょうか。
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