日本の予算は、教育分野で節約することがずっと続けられてきました。そのしわ寄せは全て現場に(個々の教師に)来ていて、その被害は子どもたちが受けています。
手当もなしに、殺人的な残業を戦後ずっとずっと続けてきた日本の教師たち。それでも教育水準を落とすことが無かったのは、世界的に奇蹟だと言われているようです。(ほめられて喜んでいる場合ではない)
教師は増やさない、いろいろごまかして労働時間は正常化しようとしない、節約のために正規採用をおさえて講師ばかりを採用する……。やがて教師たちは次々と倒れ、代わりの教師がいない状態が社会問題化しつつあります。
教師の産休、病休、事故対等々の代わりの教師がいない問題(待機しているはずの講師がいない)で、全国の学校現場から悲鳴が上がっています。
仕方がないので、ウチワでやりくりしなければならず、専科の先生、教務、管理職まで担任をやらなければならない状態です。例えば専科の先生がそちらに回ると、当然担任がその教科もやらなければならなくなるわけで、忙しさが問題になっている学校現場でさらに異常な忙しさが加わることになります。
いじめ問題の認知、一人一人の心の問題への配慮、そして授業…、そういったものがますますおろそかになることになり、結局は子どもたちが被害を被ることになるのです。
あきれるのは、教育委員会は代わりを出せないことを「いないから」という理由で押し通そうとしていること。あとは現場で何とかしろということらしいのです。そんな教育委員会に、管理職は「忖度(そんたく)」して、最近では要求もしないどころか、現場でこんな工夫をしました!と自慢する者まで出てきていること。恥ずかしくないのでしょうか?
現場では、切羽詰まって、ハローワークに連絡したり、ビラで免許保持者を募集したり、免許を失効してしまった教師や4月から正規採用予定の学生(すでに免許をとっている院生)にまで声をかけたりしている。これを異常だと思わないのでしょうか?
代わりの教師がいなくなった原因は、まずは教師のなりてが少なくなったこと。なぜ教師になりたいと思う若者が減ったのか、教育委員会は自分達の問題として考えて反省するべきです。
二つ目は、お金をけちって、正規採用者を増やさず、安上がりで採用できる講師を四月の段階で使いきってしまったこと。これは完全な失政です。
まずは、4月の段階で講師ばかり現場に入れずに、やる気のある若者をどんどん正規に採用するべきです。同時に、教師の数も増やしながら異常な多忙化の改善をはかりつつ、教師の仕事に夢を取り戻すことです。
もうこういった、「黒いループ」は今年で終わりにしましょう。