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児童虐待を考える最初の一歩

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「児童相談所における虐待に関する相談処理件数」
1990年⇒1,101件
1999年⇒11,631件

10倍である。

なぜ急激に増えたのか。

このことで「児童虐待防止法」が2000年11月に施行されたのだが……。

「児童虐待防止法」はその後2度改正されている。

2004年10月から改正法施行
しかし2007年1月から2008年3月の間の虐待による死亡する子どもは70名を超えてしまう。
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この年、並行して7度目の改正作業が行われ、

2008年04月から改正法施行
この改正では以下のことが具体化されている。

1.児童の安全確認等のための立入調査等の強化
2.保護者に対する面接・通信等の制限の強化
3.保護者に対する指導に従わない場合の措置の明確化


にもかかわらず、相談数は増えたものの、死亡者数は50名の横ばい状態。

では、児童虐待死亡者数が80名に近づいてしまった2007年はどんな年だったのだろうか。

教育基本法改正(2006年)。学校教育法、地方教育行政組織法、教育職員免許法の教育関係三法「改正」法成立(2007年)。

さらには、

2007年を表す漢字は「偽」。食品表示偽装や年金記録問題、テレビ番組の捏造などが発覚したことから。

赤ちゃんポストの設置を認可。親子関係について新たな問題提起がされた。

「そんなのかんけーねー」が流行語に。

そして、そんな年に多くの子どもたちが虐待で亡くなっていた。

保護者が自分の子どもを虐待して死亡させてしまう。社会学的にも心理学的にも解明が急がれる。そして子どもの命を守る環境を整えなければならない。私が研究者でないので深めるスキルを持ち合わせていないのが悔しい。

まずは、できることから……

<参考>
児童虐待防止全国ネットワーク
http://www.orangeribbon.jp/


[再投稿]抑止力(2015/1/30)

4年前の記事です。

----↓ここから↓----
必要なのだろうけど好きになれないことって、この世の中にはけっこうあるわけで…、たとえば、「抑止力」という言葉が嫌いです。

「脅し」とどこが違うのかよくわからない。

教師の体罰・セクハラ防止という名目で、子どもたちに「 あなたは、今の学年になって、先生のことで、いやだなぁと思うことがありますか。」と子どもたちに書かせる千葉県教委のアンケート。

そういうアンケートは教師と子どもたちの信頼関係を崩すので、違う方法をとったらどうか?と意見したときにも、「こういったアンケートをとることで、体罰・セクハラについての『抑止力』になる」と言われたことがあります。

ある事柄について「抑止力」で防ごうとしてうまくいった例はないと思います。常に危険を伴い、時には、守るべきものを、取り組み以前よりもひどい状態で崩壊させてしまうこともあります。

モラル、マナー、ルールは、脅しによって守られるものではありません、対話によって、少しずつ少しずつ築いていくものだと思っています。

そして平和も、暴力・武力では維持できません。暴力・武力を抑止力にすると、暴力・武力によって自らが滅びます。今、私たちは大きな時代の曲がり角に生きています。

教育は数値データに馴染まない

厚労省のデータの不適切調査が問題になっている。いい加減に調査したのか、それとも他に意図があったのか。いずれにしろこの国は数値データを基にして様々なことが決められていることをあらためて感じた。

学校現場ではどうだろうか。文科省もデータを集めようと、しつこくしつこくアンケート調査を要求してくる。ここで問題にしたいのは、教育の仕事がデータで判断できるのか?ということ。

授業時数の計算にしても、小学校の教室風景の中では、国語の授業をやっていて途中から学級会になったり道徳になったりすることはよくあること。算数の授業で国語の読み取りの学習に変化することもある。このように生きた授業というのはきっちり数値化できないもの。

いじめ何件?というアンケートは何度も繰り返される。解決済みは何件ですか?と尋ねてくるものもある。何をもって「解決」とカウントするというか。忙しい現場で時間をさいてそんなアンケートをくりかえすのは、日本の教育行政も数値データを基にして動いているからである。

さらに最近は、教育の成果を数値で報告しろと要求してくる。数値で表せる成果など教育の仕事で出せるのか?教育というのは、見えるデータよりも見えない豊かさが大切だったのではないのか?人と人との交わり、ルールや気遣い、そこから生まれる学び、そういったことは数値では表せないはず。

数値データを基にした行政は、人間を奪い不正を生み出す。それを教育に持ち込んではいけないのだと考えている。

さあ、成績つけるぞ

二つの大学の試験を終え、まずはテストチェック。

テストは、ミニ論文形式にしたので、のべ約200人の学生の文章を読むことになる。

けっこう大変だけど、意外にこれが楽しい。

今の若者の考え方が見えてくるからだ。

全て読んだら、評価をつけなければならない。

2月の第二週あたりまでには終わらせなければならない。

授業が終わったから一安心だと思っていたら、けっこう忙しいことに気づいた。

成績は、二つの大学とも、ネットの学内サイト内でつける。

二つの大学で微妙に付け方が違っているので、少し混乱する。

気をつけなければ。

日本の学生は勉強しない、とよく言われる。

そうかもしれないけれど、高額な学費と、生活費を目の前にして、バイトをしなければならない現実があることも考慮したい。つまり、日本の学生は勉強する時間が十分に保障されていないということ。

だから勉強しなくていいということではなくて、一方的に批判するのは疑問だ、ということだ。

いじめを放置した教職員を懲戒処分?

いじめを放置した教職員を懲戒処分の対象とすると明記した議員立法「いじめ防止対策推進法改正案」が、28日召集の通常国会で可決、成立するそうです。

改正案は、自民、公明、立憲民主、共産各党など超党派による「いじめ防止対策推進法に関する勉強会」(座長=馳浩・元文部科学相)が近く取りまとめる。いじめ防止の強化、徹底が最大の狙いだそうです。

与野党一緒になって作ったということかな?

改正案の文章を詳しく読んでいないのですか、報道情報の限りにおいては、「いじめ放置」とはいったいどういったことを指すのかが明確でないです。

教師が一生懸命指導してもいじめが解消されないケースも「放置」として拡大解釈される危険性があります。

現に、被害者の家族から、そういった声も出ているのが現状。(解消できなかったことについて「放置した」といった批判が出ていることも多数あり)

二つ目は、いじめに限らず生徒指導は学校職員の共同の指導です。個人の責任にするのは間違い。処分の対象はいったい誰になるのでしょうか?

みんなで共同して取り組んでも解消されなかった場合、その学級の担任が代表して責任を負うのでしょうか?

いずれにしろ、超党派だか何だか知りませんが、現場を知らない人たちが寄り集まって決めてしまった法律改正ではないのかと疑っています。

大切なことは、教師がいじめを認知、把握、指導できる体制を整えること。

複数担任制、学級定数の引き下げ、授業時数の見直しに本気で取り組むことです。

そもそも日本の教師は、いじめを放置するほど無責任ではないのです。

4月から現場に出ていくのが不安な方たちへ

4月から現場に出ていく人たちの不安は……

授業ができるのかの不安。
子どもの指導の不安。
保護者との関係の不安。

管理職との関係の不安。
先輩・同僚たちとの関係の不安。

ブラックと言われている現場の中で、自分を見失うことなく仕事ができるのか。自分自身が保てなくなってしまうのではないかという不安。

そんな不安を払しょくするための三つの提言。

(1) 子どもや職員とたくさんたくさんおしゃべりをしよう。おしゃべりができなかったら、おしゃべりを聞こう

(2) 自分にはできない、理不尽でやる気にならないことについては、無理してやらない。無理をするとそれが子どもとの関係に悪い形で影響してくる。

(3) 自分だけ出来ていない、遅れていると思ったら、助けを求めよう。でも出来ていないのは自分だけではないことも知っておこう。


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子育て権の侵害という考え(ドイツ)

山梨大学で、宿題の量についての話題になった。

塾でアルバイトをしている学生は、子どもから「学校の宿題が多いので塾の宿題を少なくしてほしい」という声があり、困っているという。

私からすると、パターンは逆。

つまり、進学塾の宿題に追われてしまい、学校の宿題どころではないという声に随分と悩まされた。

ここでドイツからの情報を得た。

ドイツでは、宿題が存在しないらしい。

理由は、家で学校の(塾の)宿題をさせることは、家庭の子育て権を侵害するという考えからだそうだ。

家庭には子どもを育てる権利がある……。

学べる視点だ。

ルールを問う力

TY大学で,T教授を立看板を立てて批判した学生を退学処分にする・しないの話題が広がっています。

それに対してネット世論の中には「ルールなんだから(立看板禁止等)守らなければならない」「ルールを破ったのなら処分されて当然」といった声が多いです。

ルールについては、教育的には次の3つのことを教えます。

①作る手順(みんなで決めて)
②遵守すること(みんなで守る)
そして3つ目が
③作ったルールについて問うこと

特に3つ目の力を育てることは、ルールに限らず、メディアについても、国が決めてくる「道徳」についても大事なのだと考えています。

大学の授業修行(山梨大学にて)

今日は、山梨大学で授業参観。

また、新米大学非常勤講師の話を聞いてくれて感謝です。

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自分で授業をしていて気づかされたこと。

学生さんたちとのやりとりの中で、学びを見つけていくのが塩崎流なのだということ、

応答関係の中から、学びや研究のテーマを見つけていくことはとても楽しいことです。

学びの中で、お互いに「知り合う」ことができるからです。

よし!!
この方法を深めていこう、と決意した日になりました。

教育問題は「点」ではなく「ストーリー」として読み解く

教育問題は「点」ではなく「ストーリー」として読み解く

たとえば「体罰動画問題」。

体罰は法律で禁止されているからダメ。いや、生徒の態度は(ハメた疑いもあり)酷すぎる。手が出てしまう気持ちもわかる…、等々、動画を見た時点での論議(「点」での論議)は終わらせて、そろそろ、あの事案の背景にはどんなストーリーが流れていたのかを分析しなければならないのではないだろうか。

生徒たちと学校・教師(達)の関係はどうなってしまっていたのか。そして、そもそもそのような関係になってしまった背景には何があったのか。校則は妥当だったのか、生徒は納得していたのか。体罰を受けた子と他の子どもたちとの関係は?計画されて(ノリも含む。いわゆる意図的だったのかということ)やられたものなのか。どんなグループが関わっているのか……。

分析しなければならないこと、そしてその分析に沿って今後具体的に取り組まなければならないことは山ほどある。

体罰は必要VS禁止…といった「点」の論議は終わらせて、その背景に流れるストーリーに視点をあてたいものです。もちろん生徒と教師の「人権」の視点で。


[追記]
ちなみに、かつて日本中の中学校が荒れて、生徒が大暴れしていた、いわゆる「校内暴力」の時代……、日本の教師の中に自然に合意されていたことが二つあったと思っている。

一つは、警察を入れずに、学校独自で課題解決に当たる。

そしてもう一つは、教師は暴力を使わない。

それが完璧に守られていたかどうかは別として、警察を入れないこともそうだが、暴力を使わない理由は、法律で禁止されているからではなく、教師のプライドだったのではないだろうか。

ふと、そんなことを思った。

2月から仕事が無い……

大学の授業が1月で終わってしまうので、2,3月は仕事がありません。

つまり、お給料が入ってこない。

大学の他の先生方はどうしてるのかな?と聞いてみると、非常勤講師でない方は研究があるので、さらに忙しいらしい。非常勤の方は、リフレッシュするらしい。

自分は一年目なので、来年税金がたくさんかかつてくるので、今年は働かなければならなかったのですが、困ったものです。

また、自分はリフレッシュ下手なので、リフレッシュと言われてもどうしたらいいのかわからない……。

とにかく週一回のテニスを楽しむか、息子の店で皿洗いでもさせてもらうかです。

もちろん、4月からの準備はしっかりとやる。

せっかく慣れてきて、おもしろさもわかり始めた時期なので、準備も楽しくできそうです。

あとは、お呼ばれしているいくつかの講座の準備かなぁ。

[お礼]テストを残すのみとなりました

本日都留文科大学で授業を終えると、あとは千葉大と都留文大と、それぞれテストを残すのみとなります。

大学は、前期と後期で履修者が変わります。非常勤講師は、それぞれ15回の授業でやっとプライベートでも話ができる関係になったところでお別れになってしまいます。そういった意味で、一年間担任ができるシステムがうらやましい。

大学の授業は、ここにきてようやく『しおちゃんマン流』が固まりつつあります。

100名規模の授業をどう展開するのか、という課題があったのですが、グループ討議(まわりと相談)後、マイク回しを学生に任せて、私はもう一本のマイクで応答する、といった方法を導入することで、学生とのやり取りの中で学習を深める形をとっています。

50名規模では、班・グループを使っての学習形態。最後に全部の班に自分たちで話し合ったことをプレゼンしてもらいます。

もちろん、一方的に話をする時間も、ある意味大切にしています。その時のためにパワポの利用方法を学び直しています。

しかしまだまだへたくそです。学生さんたちには申し訳ない気持ちでいっぱいです。

そこで、色々な大学で授業を見せてもらったり、実際に授業をさせてもらったりしています。今週の金曜日にも山梨大学で授業を見せてもらう予定です。

この歳になって、修行をしなければ!!と思えるようになるのは幸せです。これもみんな学生さんたちのおかげです。

一年間、ありがとうございました。

日本の教師に「理解」と「労働環境の正常化」を

夜遅くまで仕事をしている現場の教師たち。職員室にいつまでも電気が点いている状況に対して、電気代が無駄だ、早く帰れ、という苦情の電話。その苦情があってからその学校では、夜はカーテンをビシッと閉めるようになった。そして、閉めたのはカーテンだけでなく、地域に開いた学校のスタンスも閉ざした。

教師に残業代が出ないことをほとんどの国民は知らなかった。おそらく、PTA会費、給食費、卒業アルバム購入代、卒業式の着る袴のレンタル代、人数分出ない宿泊学習の下見の交通費、学校の駐車場代…、その他いろいろ、アメリカの教師以上に日本の教師が自腹をきっていることを国民は知らない。

日本の教師の凄いところは、こんなに厳しい労働環境においても、教育水準を落とさないことだ。世界で学力順位が落ちたと言っても、それは参加国が増えたからであって、点数的には読解力以外はレベルが下がっているとは言えない。

日本の教師の労働環境を整えれば、日本の教育は未知の発展を示す可能性があるのではないか。もちろんそれは、子どもたちを真ん中に据え、自治と学びの力量を育てる方向においてである。

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塩崎義明(しおちゃんマン)の『公式メインブログ』です。教育問題について語ります。⇒ 管理画面

小学校で37年間学級担任として勤務/現在大学で教師を目指す学生に指導。/最新著書『教師と子どものための働き方改革』(学事出版)//iPhone12 Pro/Surface Laptop3/黒猫大好き/手相は両手とも「ますかけ」。

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ヨシムネ&ねね

しおちゃんマンの飼い猫、黒猫ヨシムネと ねね

ヨシムネ
ヨシムネ ♂
2005年8月生まれ。2006年8月に動物病院からしおちゃんマン家にやってきた。

ねね
ねね ♀
2008年6月生まれ。教え子(当時小6)達が公園で保護。2008年6月よりしおちゃんマン家の家族に。2017年7月28日逝去。

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