学事出版から、
『教師と子どものための働き方改革』(定価 1600円+税)
という本を緊急出版しました。
現場のみなさんの異常な忙しさは限界にきていると判断し、一週間で書き上げました。
内容は、
現場を取り巻く異常な忙しさの背景には何があるのかの分析、
「気になる子」や「学校づくり」の実践、
さらには、
手帳やスマホの使い方…、そして発想法まで、
理論書でも、実践本でも、技術・方法の本でもない、自分しか書けないものを目指してみました。
----------
[目次]
プロローグ
第1章 多忙化の中での教師の苦悩
第2章 自分の意見を言うことから「働き方改革」は始まる
仕事レベル1 やってはいけないもの
仕事レベル2 やらなくてよいもの
第3章 誰にでもできる簡単時短術
仕事レベル3 やっておけばよいこと
仕事レベル4 やること
第4章 子どもの指導にはたっぷり時間をかけて
仕事レベル5 やらねばならないこと
第5章 やりたい仕事の「発想術」
仕事レベル6 やりたいこと
仕事レベル7 やれたらいいなと思うこと
エピローグ
----------
購入は、ネット購入できます。
----------
amazonからは
まとめて注文したいときは、下記に連絡してください。
学事出版株式会社 出版部
二井 豪(Futai Go)
学事出版株式会社 出版部
TEL 03-3255-5472
E-Mail
futai@gakuji.co.jp----------
[エピローグより]
----↓ここから↓----
教師3年目の彼女は校門の前で足が止まり、それ以上一歩も進めなくなりました。なんとか校舎に入っても、吐き気をもよおし、何度も戻してしまいました。先日の保護者会でも、保護者の前で何も話せなくなり、体調不良を理由に、保護者の皆さんには帰宅してもらったばかりです。
教室の中を常に誰かに見張られているような気がして、教室の窓という窓に、中が見えないように、掲示物を張り巡らせました。子どもが管理職に自分の悪いところを告げ口しているような気がして、その子どもに強く当たりました。
何もかもネガティブに考えてしまい、ようやく心療内科で診察を受けたところ、休職を勧められました。1年間休んで現場に復帰しましたが、再び体調を崩しました。結局、教師の仕事はあきらめることにしました。
教師として歩み始めた1年目の夏休み、新採研の合宿から戻った2日後、彼は命を落としました。
彼が勤務していた学校は、体育の研究では歴史ある学校でした。早朝に子どもが器械体操の練習に来ることもあり、自動的に教師の出勤は6~7時台になります。公開研究会の指導案作成時は、日をまたいでの勤務もありました。そんな中、1年目の教師はどれだけ心身に負荷が与え続けられたのでしょうか。
彼のお葬式に参列した友人から次のような話を聞き、私は涙しました。
「お化粧のせいかもしれませんが、彼の目から赤い涙が流れていました。血の涙のように見えて……、悔しかったんだと思います。」
彼らは、教師の仕事に夢を持っていたはずです。
彼らは、子どもの笑顔が見たかっただけなのです。
学校現場は、そんな彼らから、夢と子どもたちの笑顔を奪いました。
子どもと教師ファーストで現場の働き方の改革を提起していくことは、私たち世代の責任です。子どもたちと教師が、もう二度と悲しい涙を流さないことを願いながら。
本書から、そんなメッセージが皆さんに届くことを祈りつつ。
2019年9月
塩崎 義明
----↑ここまで↑----