●学校スタンダードとは今は、ほとんどの学校で「学校スタンダード」が設けられている。
<小学校で見られるスタンダードの例>
【学習について】
使うノートや、行頭から文字を何マス下げるかなどを、学年ごとに規定。それをすべての生徒で統一するように、教員にも指導する
【生活について】
・登校から下校まで、学校において目指すべきふるまいを、文字やイラストで明示
・授業中の机の上に置く物の、置き方を統一する
【持ち物について】
・筆箱に入れる鉛筆の種類、本数、その他文房具の種類を、例えば「赤鉛筆1本、青鉛筆1本、定規は透明なもの1つ」などと決める
・道具箱に入れるものについても同様に規定
教師むけ、子どもむけ、保護者むけに「学校スタンダード」が示されている。「スタンダード」を直訳すれば「標準」。しかしそれはいつしか最低限の約束ではなくなり「ねばならないきまり」として存在している学校が多い。そして「子どものスタンダード」は中高校では理不尽な校則となって再登場するのである。
教師むけの「授業スタンダード」は授業の流れや発問や板書の仕方など授業展開を中心にしめされたもの。目的によって使うチョークの色や板書文字のサイズ、手をあげさせ方や注意の仕方まで細かくマニュアル化されたものも存在する。それと同調主義が一緒になり教師の指導の自由を奪っていることもある。
学年の足並みをそろえる理由は、どのクラスも平等にといった理由。全校で揃えるのは、学年が変わっても子どもが不安にならないようにという配慮。
教師の指導方法を統一させるのは、若い人たちのニーズと、どの子にもどの教師も同じように教えられる事の保障が大切だからであろう。
しかし残念ながら、統一させようとすればするほど、教師の指導の差はむしろ広がり、不公平感やそれに伴う教師に対する不満が大きくなっている。
それは、世代や経験のちがう教師が同じことをしようとすると、当然差が出てくる…、と言う当たり前の理由だ。表向きだけ、見た目だけの平等は空回りするだけだという典型的な例だ。
私の経験上、個性は力量をカバーできる。
●問題はなんなのか学校スタンダードによる問題点として、教師の実践の自由を奪うこと以上に重要なことがある。それは、同じことができない子、個性ある子をあぶり出し、排除することにつながることである。
障害のある公立小中学生のうち、通常学級に在籍しながら必要に応じて別室などで授業を受ける「通級指導」の2017年度の対象者は前年度から1万635人増の10万8946人となり過去最多を更新したことが29日、文部科学省の調査で分かった。調査を始めた1993年度から24年連続の増加で、初めて10万人を超えた。
文科省は「発達障害の認知が広まり、一人ひとりの障害に合わせて個別に指導する必要性への理解が広まっている」とみているが……、本当だろうか。
私は、子どもたち同士の中に、高度な?コミュニケーションスキルが求められ、それについていけない子、自ら降りてしまう子が増えているのではないかという疑いを持っている。
「高度なコミュニケーション」とは、空気を読みながら
・強い意見に同調し、
・時にはおちゃらけ、
・意図的に誰かをいじり、
・時には自分がいじられるように仕向け、
・そのために必要以上に悪ふざけができる
自分を演出するようなコミュニケーションである。
「学校スタンダード」に代表されるような、学校現場の、一斉・一律・競争の縛りがきつくなり、そこについていけなくなったり、身体を通して異議申し立てをしたり、自ら降りたりする子が急増しているのではないか、ということである。
●ゆずれないこだわりを一つ以上持つこと教師が「学校スタンダード」の中で自分らしさを見失い、個性ある教師として子どもたちの前に登場できなくなってきている。そんな、没個性の時代を乗り越え、自分を見失うことなく子どもたちの前に立つためにはどうしたら良いのだろうか。
それは、教師として『これだけはゆずれない』というものを一つ以上持つことである。しおざきは、日刊通信を発行することを学生の時から心に決めていた。その実践が書かれた本に強く心を惹かれたからである。
ところが、教師になって最初に言われたことは、「足並みをそろえる」こと。ひとつの学級だけ、しかも教師一年目の新米が、毎日学級通信を発行するなどもってのほかだった。
しかし私は、それだけはゆずらなかった。それぞれが持っている教師としての武器を最大限に発揮することが子どものためになることを、当時のつたない言葉で必死になって説明した。幸い、まわりが理解してくれる先生が多かったこともあり、なんと定年するまでの37年間、日刊通信を発行し続けることができたのである。
ダメ教師だった自分が、唯一、誇れることである。
(*ᴗˬᴗ)⁾⁾
----------
☆
教育論・教育問題(ブログ村人気ランキング)はこちら(^-^☆★
教育問題・教育論(人気ブログランキング)はこちら(^-^☆2つのバナーを1日1回ポチッとヨロシク!