2018/09/06
ブラック校則の背景
【学校づくりエッセイ・論文編】今、ブラック校則があらためて注目されるようになったのはなぜかを考える、というお話。理不尽なブラックな校則は以前からずっと存在していたはず。それがなぜ今話題に?ということ。それを考えることで、今の教師の苦悩の正体も見ていきたい。
「ブラック校則問題」は、1)校則そのものの理不尽さ(体操着の内側に下着着用禁止等)の問題、2)日本の指導文化が生み出す理不尽な伝統の問題(部活動の上下関係等)、3)それを守らせるための教師の理不尽な指導の問題(指導対象の生徒に授業を受けさせない等)がある。
1)や2)は今までも存在していたので、ブラック校則がいまあらためて話題なり始めた理由を考えるのに、3)に注目する必要がある。教師の理不尽な指導が目立つようになったのは、「第3期教育振興基本計画」(答申)<2018/3/8>に表れているように、教育を国の投資的事業として数値を伴う成果をがいっそう求めるようになったことと無関係ではない。
教師は、理不尽な校則の意味を考えるのではなく、守らせることのみに力を注ぐようになった。それが数値化され評価されるからである。指導はPDCAサイクル化され、指導方法も統一化したマニュアル化を求めるようになった。(学校スタンダード)
教育は数値を伴う成果を求めてはならない。そこからは利権とパワハラの不祥事が発生することは、最近のスポーツ界の問題でも明らか。教育では、暴力と不信感を生み出し、さらに問題なのは、子ども同士の関係を崩すということである。その件については、後日。
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