【「学校珍百景」へようこそ】
【「学校珍百景」にようこそ】のカテゴリーデ前回、学校の「清掃活動」には、地域によって様々な特徴があることを書きましたが、「給食」にも地方色があることを発見しました。
たとえば、給食当番だけでなく全員が帽子と「かっぽうぎ」を着て給食を食べる地域、毎日自宅からお手拭き用のタオルや机の上に敷くランチマットを持ってくる地域、箸だけでなくスプーンやフォークを持ってくる地域、清掃と同じように、給食もまた、地方によっていろいろな文化が生まれています。
「手を合わせて『いただきます』」が全国共通ではありません。「いただきます。」と言いながらお辞儀だけをする地域もあるし、「いただきます。」の言葉だけの地域もあります。どれも感謝の気持ちは変わりません。問題なのは、手を合わせていないから感謝が足りない、とか言い出すことです。逆に、統一された行動をしていれば、それで "感謝完了" と済ませてしまうことです。
さて、実は地方色のある「給食」ですが、おそらく日本人なら誰でも知っているのが「先割れスプーン」。与えられた「形状」で精一杯仕事をしたのに、一方的に批判されてしまった道具、みんなが知っていて、好きではないけれどなぜか懐かしい道具、そんな立ち位置にあるのが給食時の「先割れスプーン」です。
「先割れスプーン」は「突き刺して食べる」ことと「すくって食べる」という二通りに使えるという利便性を買われ、1950年代頃から学校給食で用いられました。ところが「箸が使えなくなったこと」や「犬食い」の原因とされて批判され、今では箸を持ってくる地域が多いです。
しかし、ご飯を「先割れスプーン」を使って食べることに違和感はありますが、箸を上手に使えなくなったこととは直接リンクしないと考えます。また、箸を使っても「犬食い」をなおすのには苦労します。今は箸を使っているのに「犬食い」がなおらないのは、犬食いをしてしまうのは「先割れスプーン」のせいではなかった、ということです。
そんな「先割れスプーン」。今でも時々見かけることもあります。
あんなに批判されたのに、それでも出番が来ると、けなげに仕事をしています。
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